2008年2月アーカイブ

「ライラの冒険 黄金の羅針盤」パンフレット 盛り上がらずに終わった感じ。所々眠かった。子供向けにしては話の基本設定が難しい。この世界とは違う別次元の世界の話で、人はダイモンと呼ばれる魂(動物の姿をしている)を引き連れている。これに意味があるかというと、ほとんど意味がないように思える。演出にもメリハリがない。監督の才気は微塵も感じられず、凡庸の塊だな、これは。良かったのは鎧熊イオレクのCG(と、ニコール・キッドマンとエヴァ・グリーン)ぐらい。

これで250億円の製作費は回収できるのだろうか。1カ月間招待券が使えないのは製作費回収が難しいとの判断からなのだろう。監督は「アバウト・ア・ボーイ」のクリス・ワイツ。こういうファンタジー大作になぜこの監督を選んだのか不思議だ。原作自体、大した作品ではないようで、キネ旬でおかだえみこは「(3部作の)最後はひろげた大風呂敷が収拾できず、ホコロビがあちこちに残る」と書いている。製作費を使いすぎて2作目、3作目は無理との話もあるそうだ。

ちなみにダイモンはDaemonと書く。これ、コンピュータ用語では普通、デーモンと呼ぶ。映画の中ではディーモンと発音していた。

ファンタジーと言えば、「ナルニア国物語」第2部の予告編が流れたが、これも1作目がとほほな出来だっただけにどうなのだろう。盛んに予告編をやっている「ジャンパー」もIMDBの評価は6.1と低い。監督が「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマンなので、まあそうなのだろう。

IMDBで評価が高いのは公開まで内容を一切伏せた「クローバーフィールド HAKAISHA」で8.0。登場人物たちが撮影したカメラ映像でつづるというスタイルは「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を思わせる。予告編には自由の女神の頭が飛んでくる場面があり、これは面白そうだ。日本では4月5日公開。監督は「M:I:III」のJ・J・エイブラムス。

「チーム・バチスタの栄光」パンフレット 海堂尊の原作を「アヒルと鴨のコインロッカー」の中村義洋監督が映画化。といっても僕は「アヒル…」を見ていない。話はきちんとまとまっているが、それだけに終わっていて、何とも映画らしいところがない映画である。撮影なり、編集なり、キャラクターの描き込みに映画ならではの部分が欲しくなる。下手すると、テレビの2時間ドラマでもいいような感じの作品にしかなっていないのだ。中村義洋監督はもう少し描写に心を砕いた方がいい。

拡張心筋症の難しい手術(バチスタ手術)に何例も成功している大学病院の医療チームが3回続けて失敗し、患者を死なせてしまう。院長から調査を命じられた心療内科医師の田口公子(竹内結子)が聞き取り調査を始めるが、そこへ厚生労働省のキャリア白鳥圭輔(阿部寛)が乗り込んできて破天荒な捜査を始める。

長男と家内は原作を読んでおり、「原作の方が面白かったね」という感想。そうだろうなあ。だいたい、映画ではなぜ竹内結子が調査を命じられるのかに(銀婚式記念で海外旅行に行く教授の替わりというのは)説得力を欠いている。竹内結子と阿部寛はともに頑張っていて、悪くはなかった。原作とはイメージが違うようだが、阿部寛はぴったりの役柄のように思える。

バチスタ手術は弱った心臓の一部を切り取って縫い合わせることで心臓が縮みやすくなり、症状が改善するという仕組み。心臓移植の代替という位置づけらしい。いったん動きを止めた心臓がなぜ再び動き始めるのか映画だけでは良く分からなかった。

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