2000年7月のコラム
MLの事件
@nifty値下げとプロバイダの未来


MLの事件

メーリングリストに5つほど入っている。メールマガジンもいくつか購読しているので、1日のメール量は軽く300キロバイトほどになる。だから朝、昼、夜の3回、メールをチェックしないと、受信だけでも大変である。先日、仕事から帰ってチェックしたら、300キロバイト以上のメールがたまっていた。某メーリングリストで事件があり、投稿が急増したのだ。いわゆるネチケットを守らない投稿に端を発する。投稿者に数人が注意したら、この投稿者、腹を立てたのか、非常識で無礼な返事をした。それをまたより多くの人が注意、さらに今度は投稿者が最初に注意した人に対する個人攻撃、と悪循環。管理者が仲裁しようとしたが、折り合いが付かず、あまりにも無礼な投稿があったため、くだんの投稿者を管理者が退会させた。まあ、よくあると言えば、よくある事件である。

最初の投稿はこんな感じ(って、引用しちゃっていいのか)

○○○でぇ〜す。^^;
みんなは、どこのCGIを利用していますかぁ〜?
僕は、×××と△△△でーす。
もっと良いサイトがあったら教えてください〜。><
それと、友達に「カウンターを代理設置してくれ」と頼まれたのですが代理
設置って、やっていいのでしょうか?
返事待ってまーす。

「でぇ〜す」だの「かぁ〜」などという使い方がまず気に障るが、それは投稿者の程度を表しているだけなので気にしなければいい。問題はこれがあるサイトのCGIに関するメーリングリストで、そことはまったく関係のないサイトを挙げて、それよりいいCGIはないかなどとと質問していることにある。このMLは入会ルートが二つあり、一つのルートには管理者のホームページについてはあまり書かれていないらしい。だから投稿者を一概に責めるのもかわいそうなのであるが、その後のメールを読むと、同情する気にもならないのである。「バイビ〜」だの「具いっぱい(グッバイ)」などと、さらに幼稚さ丸出しの投稿を続けてきたのだ。おまけに個人攻撃まで。言葉遣いがあまりにも目に余り、非常識だったから退会させられてもしょうがない。

これにはさらに続きがあって、投稿者のホームページの掲示板が攻撃を受けたらしい。管理者が「このMLの皆さんではないと思うが」と但し書きした上で注意のメールを流した。こういうのって怖いと思う。掲示板への攻撃とか、簡単にできてしまうし、メール爆弾なんて手段もある。ウィルスを送ることだってできるだろう。ホームページで掲示板を運営したり、メールアドレスを公開することにはこうしたリスクが伴うものなのである。つまらないことで恨みは買わないようにした方がいい。

メールは便利なものだが、相手の顔が見えないからこうした誤解やトラブルは起こりやすい。しかも文体が話し言葉である場合が多く、普通の手紙とは違って初対面の相手に対しても気安くなりやすい。メールは文体でその人の全人格が判定されてしまうのである。ネチケットだなんだという前に、普通の言葉遣いに気をつける必要があるのだろう。それにしても、こういう不毛なメールのやり取り、読むだけでも不愉快になってしまう。(7月9日)

[BACK]

@nifty値下げとプロバイダの未来

@niftyの月額料金が10月から接続無制限2000円となるそうだ。「常時接続時代に対応した」とアナウンスしているが、IP接続コースが2000円なのだから、整合性をとるためには当然の措置と言える。現在、30時間コース2000円、150時間コース3000円で、無制限コースは5000円。これが一律2000円になると、かなり収益としては落ちるのではないか。ま、僕が心配することではない。背景にはプロバイダの価格競争があるようだ。中小プロバイダには1000円で無制限というところも多くなり、中には500〜600円なんてところもある。例えば急速に全国展開し、アクセスポイント数としてはOCNに次ぐ規模となったTiki-Tiki(本社・岡山)が1000円だ(入会1年目は年間10000円だからもっと安い)。宮崎にもアクセスポイントがあり、しかも県内全域をカバーしている。これでは地元のプロバイダは苦しい。宮崎インターネットが月額1700円に値下げしたのもこの影響だろう。

接続することだけが目的なら安いところを選んでもいい。問題は回線速度とプロバイダのコンテンツなど副次的サービスの充実度にある。安いところは加入者が増える。加入者の増加に応じて回線増強ができればいいが、そうでない場合、遅くなることは目に見えている(中小の中には高いのに遅いところもある)。会社の財政的規模、基礎体力というのはけっこう重要なのである。

値下げはCATVの台頭も遠因にあるようだ。「パソコン批評」によると、CATVインターネットの利用者は21万人。対象地域が限られるというデメリットがあるにせよ、電話代がかからないので、インターネット接続としてはもっとも理想的な形態と思う。CATVが拡大していけば、従来のプロバイダは存続が難しくなる。もっともそのCATVにしたって中小規模のところはプロバイダと同様、回線増強の問題を抱えている。加入者が増えると、ISDNより遅くなる場合があるらしい。

またCATVの未来が明るいかといえば、必ずしもそうとは言い切れない。NTTは2010年までに光ファイバーを全世帯につなぐ計画を持つ(前倒しで2005年の目標もある)。そうなると、CATVのメリットは大きくはなくなるだろう。結局、プロバイダはサービスをいかに向上させるかがカギになるのではないか。

ホームページを持つことを考えると、これは分かり易い。価格の安いところは最初からホームページを開設できない、あるいはオプションとなる場合があるし、スペースを用意してあってもCGIが利用できなかったりする。@niftyの場合、CGIは使える。ただし、今の@homepageは設置が面倒になった。SSIも使えない。Infoweb時代にホームページを開設していて良かったと思う。SSIを使っているのはトップページだけなのだが、それでも使えないよりは使えた方がいい。(7月16日)

[BACK]