2000年1月
私的2000年問題
もっと京極作品の映像化を
使えないNORTON ANTIVIRUS
WZか秀丸か
ATOK13をインストール
DREAMWEAVER3のここがダメ
DREAMWEAVER3のここは便利
SF映画ベストテン
「レモンハート」と「リング0」

私的2000年問題

2000年問題は大したこともなく第一段階を終わった。12月31日夜から固唾をのんで(?)パソコンの前に座り、新年を迎えた僕としてはほっとしたような肩すかしを食ったような複雑な気分だ。でも昨年から大騒ぎして対策を進めてきたわけだから、これで大きなトラブルがあったら、その方がおかしいのである。なくて当然の状態だったのだ。その意味で小さいといえども、またもやトラブった4カ所の原発にはあきれてしまう。昨年の臨界事故で地に落とした信頼性をさらに落としてしまった(海外にも報道された)。原発に携わる技術者の実力はそんなものなのだろう。そんな原発でも地域活性化(要するに金目当て)で誘致しようとする人たちがいるのだから、世の中はうまくいっている。僕からみれば、そういう方々は頭の不自由な人にしか見えない。地域活性化なら、安易に交付金に頼るよりもっと頭を使った方がいいでしょうに…。

2000年問題に話を戻すと、今後危ないのは中小企業のパソコンが一斉に動き出す3、4日の仕事始めと、2月29日のうるう日と言われる。中小企業の中にはこの不況で2000年問題への対策が取れなかったところもあるだろう。未対応のパソコンが取引先の大企業のパソコンにつながっていれば、トラブルが大きくなる可能性はある。2月29日は9月9日のような日付の問題で、これはあまり心配しなくてもいいのではないか。3、4日を乗り切れば、とりあえず安心と思う。その後に深刻な2038年問題が控えているが、これはまだ先の話だ。

個人的には2000年問題の影響はほとんど受けなかった。ハード、ソフトとも今のところ順調に動いている。すべてのアプリケーションを試したわけではないから、中にはおかしくなっているソフトもあるかもしれないが、ま、これはおいおい対応していけばいい。現時点で判明したトラブルは一つだけ。ホームページに置いている日計カウンターだ。2000年1月の表示が100/01になっていた。これまでは99年12月だったら99/12と表示していたから、00/01になるはずなのである。表には出していないので、慌てることはないのだが、念のためにダウンロード先のKENT WEBに行ってみたら、ちゃんと対応版が1月1日にアップされていた。さすがKENTさんですね。で、さっそく対応版をダウンロードして再アップロードした。でも表示が変わらない。考えてみれば、当たり前の話で既にログに書き込まれているのだからこれを修正しないとダメなのだ。で、ログをホームページからダウンロード、100を00に修正してアップロードした。で、日付が変わってから表示を見てみたら、今度は00/01と2000/01の両方が表示されている。しかもアクセス数は00/01の方に表示され、2000/01はゼロのままなのである。しょうがないのでログの00/01を削除、2000/01にアクセス数を書き写してアップロードした。以後、正常に作動するようになった。やはり日付関係のトラブルってあるものなんですね。

さて、最後に2000年の目標などを一つ。昨年、ホームページを公開して以来、読書量が激減してしまったが、これを元のペースに戻すのが一番の目標だ。読書といえば、CGIだのJabaScriptだのスタイルシートだのと、ホームページ関連の本ばかりになった読書傾向を本来のミステリ、SF関連中心にしようと思う。ホームページの更新も、「リンク1件追加」など更新のための更新はやめにする。映画評とコラムとホームページ実用小技集など中身のある更新だけに変えるつもりだ。これによって昨年7月頃から続けてきた毎日更新は無理になるかもしれないが、更新のための更新って馬鹿らしいですからね。それに@niftyに変わって以来、更新してもホームページ紹介コーナーに自動的に反映されるわけではないので、あまり意味がないのだ。読書量が本来の調子に戻ったら、書評のページも置きたい。映画評と違って書評は書いたことがないが、何とかなるだろう。とりあえず、昨年買いながら読んでいないミステリとSFを消化せねば、と思っている。(1月3日)

[BACK]

もっと京極作品の映像化を

WOWOWで3日に放送された時代劇「京極夏彦 怪 七人みさき」は京極夏彦の小説としては初の映像化ではないか。プログラムガイドには「本格的に映像化される」とあるだけで、「初」の言葉はない。ほかに何かあったのだろうか? 別に楽しみにしていたわけではなかったので、最初の数分間を見逃したのだが、「巷説百物語」の登場人物が出てきたので「おっ」と思い、そのまま見てしまった。小説でおなじみの登場人物が出てくるドラマはやはり興味がある。出来としてはあまり良くはなかったけれど、そこそこ楽しめたのはそのお陰である。

脚本も京極夏彦自身が書いている。とある城下町で女性の水死体があがる。「これで3人目だ。あと4人。七人みさきの、ミサキ御前のたたりだ…」と町の人々は恐れる。言い伝えによると、この町の城主は淫祠邪教の信徒となり、乱心。目に余る乱行の挙げ句、七人の農民に殺された。城主の名前は弾正。現在の城主も弾正という名前だった。戯作者の山岡百介(佐野史郎)、魔よけの札撒き・御行の又市(田辺誠一)、人形使い・山猫廻しのおぎん(遠山景織子)らは連続殺人の謎を探り始める…。プログラムガイドに京極夏彦が寄せた文には「設定やキャラクター、テイストは原作に準拠しているものの、映像用の完全オリジナル・ストーリーを基本に制作」とあった。設定自体は「巷説百物語」の一エピソード「芝右衛門狸」に少し似ている部分があるが、まあ、オリジナル・ストーリーといって構わないだろう。山岡百介と又市はほぼイメージ通り。遠山景織子も悪くなかったが、原作のおぎんはもう少し年上のイメージがある。監督は俊英(?)酒井信行。

原作は連作短編集。百物語とタイトルに付くので、妖怪の話かと思うが、実体は「必殺仕掛人」のような話である。非道な悪人をこの又市らが協力して懲らしめる。話に妖怪伝説を絡めているのが、京極夏彦らしいところだ。評価は上々で、京極夏彦は「塗仏の宴」「百鬼夜行 陰」でつけたミソを払拭した。悪人退治のプロットからいって、テレビドラマに向く作品といえるだろう。ちなみに、この次に出た「百鬼徒然袋 雨」は京極堂シリーズに登場する探偵・榎木津礼二郎をフィーチャーした中編小説集(3編収めてある)。とはいっても事件解決は京極堂こと中善寺秋彦が中心になり、物語の設定も「塗仏の宴」から続いている。主人公があの榎木津だから、ゲラゲラ笑いながら読める。違うのは物語の語り手役で、関口から新たな人物に変わっている。第4作「鉄鼠の檻」あたりから関口を語り手にするのに無理が目立つようになっていたから、作者はここで少し方向転換を図ったのかもしれない。でも手法としては同じで、今回の語り手も関口と同じタイプのキャラである。

京極堂シリーズは回を重ねるごとにキャラクター小説の趣が強くなった。特徴のあるキャラクターばかりだから、長大なプロットと蘊蓄を除けば、映像化はしやすいはずである。原作そのままとは言わないけれど、このキャラクターを使って映画にできないだろうか。今回のように京極夏彦自身が新たに映画用の脚本を書けば、できるのではないか。キャストの問題は残るにしても、面白い作品になると思うんですけどね。

「京極夏彦 怪」は今年4話放映予定。第2作「隠神(いぬがみ)たぬき」は3月に放送される。これには原作のもう一人の主要登場人物である事触れの治平が登場する。第1作も今月23日に再放送されるので見逃した方はどうぞ。(1月5日)

[BACK]

使えないNORTON ANTIVIRUS

一太郎10を買いにパソコンショップに行ったら、アップグレード版がなかった。しょうがないので、一太郎は別の店で買うことにして、懸案だったNORTON システムワークス2000を買った。NORTONユーティリティーズはWindowsパソコンには必須といってもいい優れたソフトウエアと思う。2000にアップグレードする必要があったのだが、単体で7,000円余りする。しかし、システムワークスの優待版の価格を見たら10,999円。むむ、これはお買い得ではないか。NORTON システムワークスにはNORTONユーティリティーズのほかに、ウイルスソフトのNORTON アンチウイルス、クラッシュを防ぐNORTON クラッシュガード、アンインストールソフトのNORTON クリーンスイープが付属する。僕はウイルスバスターもアップグレードしなければならなかったのだが、ウイルスバスターは単体で5,800円。システムワークスはNORTONユーティリティーズとウイルスバスター2000を買うよりも2,000円ほど安くすむのである。

で、買ってさっそくインストールしてみた。4つのソフトのうちクリーンスイープはWindows95時代に使ったことがあり、レジストリをずたずたにされた苦い経験がある。こちらの使い方も悪かったのだろうが、いまいち信用できない。それにアンインストールソフトはAIソフトのDISK X TOOLSを既にインストールしてあるので、競合する恐れがある。で、これを除く3つのソフトをインストールした。インストール時の注意点として、マニュアルには古いバージョンはアンインストールするよう書いてある。え、そんなことしてシリアル番号とかはどうなるの、と不安を覚えつつインストールしたら、システムワークス、インストール中にシリアル番号は聞いてこない。これなら、メーカーサポートは受けられないが、NORTONのソフトを持ってない人もイントールできるんじゃないですかね?

インストールは無事終わり、システムを再起動した。そうしたらですね、Windowsが起動しないんです。起動の前に「NAV 設定ファイルが見つかりません」とのダイアログが出る。NAVはたぶんNORTON ANTI VIRUSの略だろう。OKボタンをクリックしたら、黒い画面のままになってしまった。Alt+Ctrl+Deleteキーを押してもなんの反応もない。こうなったら、もう電源を切るしかないのだが、ハードディスクへのアクセスランプは灯ったままなのである。ここで電源を切ったらどうなるのか。1年半前の苦い思い出が蘇った。ランプを無視して電源を切った僕はハードディスクをクラッシュさせてしまったのだ。結果、ハードディスクの交換、Windowsの再インストールという哀れな道を歩んでしまった(このお陰で再インストールでもFDISKでも何でもできる自信はついた)。今回はそれを恐れてしばらく待ったが、何も変わらない。ままよと思って電源を切り、再起動させた。しかし、同じところで止まる。今度はダイアログボックスを表示させたまま、再起動、セーフモードで起動させ、アンチウイルスをアンインストールして再び再起動したら、動くようになった。

その後、いろいろと試した結果、アンチウイルスのインストール時のオプションに問題があることが分かった。たぶん、僕のパソコンと相性が悪いのだろうが、インストール時に「AUTO-PROTECTを起動時にロードする」のオプションを選択するとダメなようである。これをオフにするにはインストール時にカスタマイズを選んで、AUTO-PROTECTのオフを選択する必要がある。こうやったら無事、アンチウイルスがインストールできた。一時はどうなることかと思ったぜ、まったく。

ところがですね、AUTO-PROTECTはインストール後もオンにできるのですが、これをオンにして再起動したら、またもやあの画面で止まっちまったのです。セーフモードでAUTO-PROTECTをオフにして再起動してもダメ。何回やってもダメ。しょうがないのでもうこれは使わないことにしました。再びセーフモードで起動してアンチウイルスをアンインストール。今、僕のパソコンにはウイルスチェッカー入ってません。とほほ…。マニュアルを読んでみたら、起動時に止まった場合は電源を切って、NORTON救済ディスクを使うよう書いてある。それをやってみたけれど、延々とウイルスチェックが続くだけで、根本的な解決にはなっていない。いったい、どこが悪いのだろうか。単にパソコンの相性の問題なのだろうか。しかし、相性で使えないとなると、単体でアンチウイルスを買った人は怒るでしょうね。アンチウイルスのバカ! 僕の場合はユーティリティーズとクラッシュガードの2本(とインストールしてないけど、クリーンスイープ)を使えるだけでもよしとすべきなのでしょうか。(1月7日)

[BACK]

WZか秀丸か

NORTONアンチウイルスはその後、再びインストールした。もちろん「AUTO-PROTECTを起動時にロードする」のチェックはオフにしてある。シマンテックのホームページに行ってみたら、FAQに僕のような症状に対する説明があった。なんでもデフォルトのドライブにインストールしないとダメらしいのだ。デフォルトのドライブとはもちろんCドライブのこと。僕はDドライブにインストールしたから、ああいう症状が出たようだ。でもこれって、おかしくないですかね。ウイルスバスターはどこのドライブでも大丈夫でしたよ、シマンテックさん。これではCドライブの容量が不足気味の人には使えないという事じゃないですか。僕も不足気味なので当面、Dドライブに入れたまま使わざるを得ない。起動時のウイルスチェックはできないが、電子メールなどはちゃんとチェックしてくれている。それに考えてみれば、ウイルスバスターだって起動後即座に常駐を解除していたのだ(リソースが不足するので)。気を付けなければならないのはソフトのダウンロード時とメールの受信時だから常駐していなくても別に構わないだろう。

掲示板のPCフォーラムをバージョンアップした。今まで使っていたのはバージョン1.4。新しいバージョンは2.2である(ちなみに映画フォーラムの方も昨年暮れにバージョンアップしてます。グラデーション文字でもインラインリンクが可能になりました)。KENT WEBで配布されているもので、何回もバージョンアップしていることは知っていたのだが、何となく面倒で放って置いたのだ。新しいバージョン、インターフェースはあまり変わっていない。表示が10件ごとになったことぐらいか。ただ設置後、どうしても文字タイトルが表示されないので、画像タイトルに変えた。急いで作ったので出来はあまりよくないけれど、まあいいでしょう。

こうしたCGIを書き換える際に必要なのがエディター。漢字コードがShift-Jisの場合はWindows付属のメモ帳でもいいが、EUCコードには対応していない。僕は当初、WZ EDITORを使って、失敗することが多かった。自動整形モードで開いていたため、漢字か改行コードに影響したらしい。で、秀丸に変えたのだが、秀丸はEUCコードのスクリプトを開く場合、いちいち指定しなければならない。これも手間ですね。

自動的にスクリプトの漢字コードで開いてくれるものとしてはCGI専用エディタのPerlエディタがある。変数エクスプローラーという機能もあり、クリックすると、指定の変数やサブルーチンにカーソルがジャンプして使いやすい。またHTMLエディタのTTTエディタもコードを指定せずに開ける。ちょっとした書き換え、特にHTML出力部分の書き換えには便利だ。残念なのは、この2つのエディタ、CGIスクリプトへの関連づけ機能はなく、エディタを起動してファイルを読み込まなければならない。スクリプトをクリックして起動する方が手間はかからないんですよね。で、久しぶりにWZを使ってみたら、なかなか使いやすかった。コード指定もいらないし、自動整形モードをオフにしておけば、こちらの方が好ましい。というわけで、拡張子CGIへの関連づけを秀丸からWZに変えた。

WZと秀丸はWindowsエディタの2大定番ソフト。オンラインソフトの秀丸の方がポピュラーで、愛好者は多い。価格も4000円と製品パッケージのWZ(9800円)の半分以下だ。基本機能は同じようなものなので、どちらを使ってもいいと思う。ただ、ファイル読み込み時の手間を考えると、僕はWZの方が使いやすい。ほとんど使いこなしていないけれど、拡張機能もWZの方が多彩である。なによりも、せっかく9800円も出して買ったのだから使わないともったいない。もちろん秀丸も4000円出して買ったんですけどね。(1月8日)

[BACK]

ATOK13をインストール

正月映画もほとんど見てしまったので、見に行く映画がない。あと残っているのは「ゴジラ2000 ミレニアム」「ラグラッツ・ムービー」「ランダム・ハーツ」ぐらいか。どれも評判の悪いものばかり。学生時代には「傑作ばかりを選んで見るようでは映画ファンじゃない。つまらない映画も含めて見るのがホントのファンだ」と生意気にも思っていた。ちょうどヴィスコンティやフェリーニばかり見て、いっぱしの映画通を気取る輩がいた時代だ。そうした芸術映画がほとんど壊滅状態の今、もはや、つまらない映画に関わっている時間が惜しい。それにどの程度の映画かは見る前に見当がつく。意外な面白さを持った映画などというものに最近出会った試しがないのである。期待はジュゼッペ・トルナトーレの「海の上のピアニスト」ぐらいだが、これ、宮崎では15日公開。それまで映画はお預けである。

急いで付け加えておくと、僕はジュゼッペ・トルナトーレを必ずしも信用していない。「ニューシネマ・パラダイス」には公開当時がっかりしたし、その完全版も「単なるすれ違いのメロドラマじゃないか」と思ったものである。いや、ホントにこれ、最低のシチュエーションでしたね。「あの峠の一本松で待っていたのに、お富さん、あんた来なかったね」「あれ、わたしゃ、二本松とばかり思って、ずっと待っていたんですよ…」という感じの映画であった。完全版のその安っぽい部分をカットして最初に公開した配給会社には見識があった、というのは言い過ぎでしょうか。

することがないので、パソコンショップに行って、「一太郎10」を買ってきた。発売されたのは昨年9月。4カ月近くも放って置いたのは、ちょうどそのころFireworks2やFlash4を買って財政的に厳しかったことと、ワープロソフトを最近ほとんど使わなくなったためだ。実際、ワープロを使えば、印刷も必須だが、プリンターさえ本格的に使うのは年賀状の時期ぐらいになってしまった。パソコンが普及するにつれて、印刷物の用途は徐々に減っていくのだと思う。メモだってパソコンに書き込めるし、手紙だってメールで代用できる(それに安い)。印刷物を売る会社に勤める身としては不安(?)を感じる毎日です。

それにワープロソフトというのはもう機能のぎりぎりまで来てるんですよね。これから新たに付く機能というのは、はっきり言って便利かも知れないけど、蛇足のようなものである。だいたい今でも機能を使いきっているわけじゃないんですから。ただし、一太郎のアップグレードで重要なのはATOKも同時にアップグレードする点だ。ATOKのような日本語入力システム(IME)はパソコンには必須だし、変換機能というのはまだまだ向上させられるはずである。それならATOKだけ買えばいいのだが、バージョンアップ版とATOK単体とであまり価格的に変わらない。だから僕の場合、ATOKのバージョンアップのついでに一太郎10を買っているようなものである。

マニュアルには、一太郎10のインストールにはハードディスクに330MBの空き容量が必要−と書いてある。ドキっとしたが、ちゃんとインストール時に古いバージョンをアンインストールしてくれる。ついでにほとんど使わなかったFULL BAND(スケジュール管理ソフト)もアンインストールした。結果、Cドライブの空き容量は以前より20MBほど増えた。三四郎と五郎もアンインストールしても良かったのだが、貧乏性なのでこれは残しておいた。一太郎と同時にインストールされるのはATOK13のほか、メールソフトのShuriken2.1とスケジュール管理ソフトのSasuke2.0。ま、どちらも使わないでしょうね。

一太郎の新機能はいろいろあるが、先に書いたようにあまり興味はない。肝心のATOK13、これは随分利口になっているようだ。漢字の手書き入力はやっとIME2000に追いついた機能なので別にして、入力支援機能が充実している。例えば、推測変換機能。一度確定した文字は再度入力する際、途中まで打つと、変換候補が表示される。インターネット・エクスプローラーのオートコンプリートのようなものだ。これは入力の途中に表示されるのでわずらわしい感じもするが、ま、便利といっていい。確定はShift+Enterで行う。他の変換候補を表示するときにはTabキーを押せばいい。カタカナを入力して英語に変換してくれる機能もある。例えば、“インターネット”とカタカナで入力してF4キーを押すと、internetやInternetなどと変換できる。このほか話し言葉への対応を強化していたり、文章の前後から判断して適切な変換候補を出すなど、変換精度の向上は満足のいくレベルにあると思う。

IMEはワープロだけでなく、エディタなどパソコンの入力ソフトすべてで使用する重要なものだ。ジャストシステムはOffice統合ソフトでマイクロソフトに敗れて以来、低調だけれど、ことATOKに関して言えば、IME2000より優れていると思う。今後もATOKの機能を向上させていくことができれば、ジャストシステムの将来は決して暗くはないと思う。(1月13日)

[BACK]

DREAMWEAVER3のここがダメ

gifアニメを初めて作ってみた。“BACK TO THE HOME”と“NEW”の画像。今まではGTOOLからダウンロードしたものを使っていたのだが、やはりオリジナルが望ましいですからね。スタイルはGTOOLのを参考にしたのであまり変わっていないけれど、初めて作ったのでうれしい。BACK…の方は5コマ、NEWは3コマのフレームを使用している。FIREWORKS2を利用したら、ファイルサイズを意外に軽くできた。たいしたものですね、このソフト。と、感心していたら、FIREWORKS3が発売日の14日に届いた。郵便振替で代金を送ったのが今月4日。届くのは来週ごろかなと予想していた。早かったですねー。

僕が買ったのはFIREWORKS3とDREAMWEAVER3をパッケージしたソフトで、アップグレード価格12000円。先月のコラムにも書いたが、FIREWORKS3のアップグレードだけで10000円するので、あと2000円足してDREAMWEAVER3が手にはいるなら安いと言えるだろう。これ本来は定価39800円のソフトなのである。もっともFIREWORKS3とのパッケージ価格は44000円ほどで、しかも3月まではキャンペーンとしてその半額で販売されている。昨年、FIREWORKS2単体に24000円も支払った僕は、「なんだ、これは」と思ってしまう。ま、ソフトの価格なんてそんなものなのでしょう。FIREWORKS3はインターフェースが少し変わっており、機能的にもアップしている。まだあまり使っていないので、詳しくはまた書こう。DREAMWEAVER3は楽しみにしていた。なんせ、39800円のソフトである。きっと機能的に凄いのだろう…。

DREAMWEAVER3はホームページ・ビルダーやホタルなどと同じくWYSIWYG(What You See Is What You Get)型、つまりワープロ感覚のHTMLエディタ。インターフェースはフローティング・ツールバーが何個も並ぶ形式でちょっと変わっている。ワープロ感覚とはいっても、マニュアル(400ページ以上もある)をざっと斜め読みし、少しさわった限りでは初心者には難しいように思う。マクロメディアのソフトはどれも特殊な用語が多くて理解しにくいのだが(翻訳も悪い。“ネストされたタグ”ってなんだ!)、DREAMWEAVER3の場合はスタイルシートやタグの知識が必要になる。逆に言えば、そういう知識があれば、FLASHやFIREWORKSに比べて分かりやすいかもしれない。スタイルシート(CSS1)に完全対応しているのはさすがで、ちゃんとシネマ1987onlineのトップページを読み込むことができた。当たり前のように思えるかも知れませんが、このページ、スタイルシートを使っているのでホタルでは開けません。それとHTMLのクリーンアップ機能も便利で、不要なタグを除去してくれる。トップページはこの機能で14個のタグが除去された。

レイアウトはレイヤー(CSSレイヤーかネットスケープのLAYERタグ)で行う。バージョン3.0以下のブラウザのためにレイヤーをテーブルに変換する機能があるのは優秀だ。最初からテーブルタグでレイアウトするより、この方が簡単だろう。FTP機能も付いている。ローカルとリモートのファイルを比較して同期する機能は便利だが、これうっかり使うと危ないこともある。リモートにしかないファイルを削除しかねないのだ。もちろん、削除していいかどうかのダイアログは出るけれど、気を付けた方がいい。この点はローカルのタイムスタンプだけを調べてアップロードや削除をしてくれるフリーのAUTO FTPの方が優れていると思う。一番ダメなのはパーミッションの変更ができないこと。これではCGIが使えない。

もちろん便利な機能はいろいろある。JavaScriptやダイナミックHTMLも挿入できるし、色を付けるのもパレットから選べるので簡単だ。単純作業を自動化できる機能もある。なによりFIREWORKS3やFLASHとの連携が強いので、マクロメディアのソフトを持っている人には使いやすいだろう。しかし、久しぶりにWYSIWYG型のエディタを使ってみて痛感したのは隔靴掻痒の感が否めないことだ。タグを挿入してすぐにブラウザに反映できるタグ挿入型のエディタの方が軽いし、反応も速くて気持ちがいい。WYSIWYG型はどうも途中にワンクッション入るような感じがつきまとうのだ。このページでは何回も書いているが、タグ挿入型で最も優秀なのは、これまたフリーのTTTEDITORだろう。これは強力にお勧めします。DREMWEAVERはまあ、複雑なレイアウトの場合には使えるので、損した気持ちはありませんけどね。なんせ実際には2000円で手に入れたことになるのですから。(1月18日)

[BACK]

DREMWEAVER3のここは便利

リンクページにもある「はかせの懲りないホームページ」を久しぶりにのぞいてみようとしたら、ページが表示されない。gooで検索しても当のホームページは出てこない。gooの他のページのリンクをたどって行ってみたら、「懲りないねっと」に名前が変わっていた。移転したんですね。内容の方も少し変わっていて、「日刊懲りない話」は終わり、随時更新に変わっていた。僕が毎日ホームページを更新しようとしているのは、このページの影響が大きかったのだが、何らかのコラムを毎日書いていくのは大変なものなのだ。でもやっぱり、更新が少ないと、つまらない。毎日とは言わないから、2、3日に一度は更新してほしいものです。って、これは天に向かって唾するようなものですね。

今回はDREMWEAVER3の便利な点について書いてみよう。その後いろいろと使ってみて、便利だなと思ったのは検索・置換機能。これはテキストだけでなく、HTMLソースの検索・置換ができる。前回書いたように“BACK TO THE HOME”のgifアニメを作ったのだが、これ、各ページに設置してあるので全部を変えるとなると結構手間がかかる。そこで検索・置換機能を使う。相対パスを新しいgifアニメのものに変えて、置換すると、指定したフォルダの中(サイト全体でも)のすべてを書き換えてくれる。その後、このフォルダをFTPでリモートのフォルダと同期(ミラーリング)させればいい。前回書いたように同期機能はサイト全体を対象に行うと危険なこともあるが、フォルダごとに行えば、大変便利な機能と思う。10数個のファイルの書き換えから同期まで15分もかからなかった。

検索・置換があまりに便利なので、ついでにトップページに戻るリンクのパスで“../index.htm#CONTENTS”のアンカーポイント“#CONTENTS”を削除した。これは相当初期のころ、トップページにCONTENTSというアンカーポイントを置いていた頃の名残。コピー&ペーストしてページを作っていたので、けっこう多くなってしまっていた。これの書き換えもすぐに終わった。作業の省力化という点でDREMWEAVER3は抜きんでているようだ。本来は大規模なサイト向けのソフトなのだろう。そこがプロ用といわれる所以でもある。

続いてFTP機能。パーミッションの変更は前回書いたようにできないのだが、インターフェースを見ると、テキスト(アスキー)モードとバイナリモードの切り替えボタンもない。ユーザーガイドを読んでみたら、転送モードの指定にはプログラムフォルダ内のファイルを書き換えるよう書いてあった。ファイルを見ると、拡張子ごとにアスキー、バイナリの指定がしてあり、計49種類あった。ちゃんとCGIもあったが、PL(Perlのライブラリ)はなかったので追加した。しかし、CGIは転送できるのにパーミッションの変更ができないとは理解しにくいですね。また、拡張子のないファイルはバイナリモードで転送する設定になっている。拡張子のないファイルといえば、僕の場合、Splendid Searchのインデックスファイルがこれに当たる。これ単にidxという名前なんです。しかもアスキーで転送する必要があるのでこれは困ります。ま、別のFTPで転送すればいいことですが。

「一撃必殺! DREAMWEAVER2」という本(まだ3の参考書は出ていないので、仕方なく買った)には「DREAMWEAVER2は楽をするためのソフトです」と明快に書いてある。その通りなのだろうなと思う。 DREAMWEAVER3でできるレイヤーを使ったタイムライン・アニメーションやロールオーバー・イメージは単なるHTMLやJavaScript、スタイルシートを利用したものなので、知識があれば、普通のエディタでも実現できるのである。 それをエディタを使っていちいち書くか、ソフトに任せるかの違いだけなのだろう。それにアニメーションだったら、FLASHやFIREWORKSを使った方がいい。

DREAMWEAVER3の利点は美しいHTMLを書いてくれることで、ホタルなどのように余計なタグを挿入しない。ソースフォーマットを利用すれば、他のエディタで書いたHTMLも見やすく変換してくれる。今、この文章はDREAMWEAVER3を使って書いているのだが、こうしたテキスト主体のページの場合、ショートカットキーを覚えれば、入力も楽である。 このページで主に使うのは<P>タグだけですから、そのショートカットだけ覚えればいいのである。っていっても、単にEnterキーなんですけどね。ひとつ要望させてもらえば、HTMLソースの編集の際にもショートカットキーが使えれば、さらに便利だと思う。(1月21日)

[BACK]

SF映画ベストテン

アンカーポイントの設定がうまくいかない。しつこくDREAMWEAVER3の話である。このエディタ、アンカーポイントへのリンクはドラッグで行うのだが、ブラウザで確認してみると、文字化けしてしまい、リンクできない。別の方法でアンカーの名前をダイアログに記入しても文字化けする。アンカーポイントに日本語を使用しているこちらも悪いのだが、TTTエディタでは何の問題もないから、これはソフトの翻訳の関係なのではないだろうか。だからアメリカ産のソフトってダメなのだ。しょうがないので今後はアンカーに英数字を利用しようかと思っている。日本語の方が分かりやすいんですけどね。

アウトルック・エクスプレス5.01から付いた開封確認機能をようやく確かめられた。某メーリングリストにメールを出したら、開封確認の返事が続々届いたのだ。英語のものがあったり、日本語で表示したりで、表示はメーラーによって異なるが、開封時間と開封者、削除されたかどうかまで分かるのには感心した。でも人数の多いメーリングリストに出す場合はオフにしておいた方が良さそうだ。開封の返事だけで大量になってしまいます。

さて本題。SFオンラインが1999年の映画ベストテンを発表した。ちょっと意外な感じもするベストテンは以下の通り。

1.マトリックス
2.ハムナプトラ 失われた砂漠の都
3.ガメラ3 邪神(イリス)覚醒
4.ファイト・クラブ
5.スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス
6.マイティ・ジョー
7.囁く廊下 女校怪談
8.シックス・センス
9.パラサイト
10.ブレイド

邦画・洋画取り混ぜてのベストテンだが、意外なのは2位の「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」と4位の「ファイト・クラブ」である。「ハムナプトラ」ってそんなに良かったですか? SFXは確かに頑張っていたが、僕は主演の2人には魅力を感じなかったし、スティーブン・ソマーズの演出も緩いと思った。「ファイト・クラブ」はなぜSFなのだろう。サイコ・スリラーかミステリーには分類できてもSFというには無理があるような気がする。

1位の「マトリックス」と3位の「ガメラ3 邪神覚醒」には納得。これ、僕の洋画・邦画のそれぞれ1位です。5位の「スターウォーズ エピソード1」は普通のベストテンなら10位以内には入らないだろう。SFのベストテンだからこそか。「パラサイト」と「ブレイド」も同様。どちらも面白かったけど、B級SFでしょう。逆に「シックス・センス」は普通のベストテンなら、もっと上位に行くのではないかと思う。この中で見ていないのは「マイティ・ジョー」と「囁く廊下 女校怪談」の2本。「マイティ・ジョー」は予告編を見て面白そうだと思ったのだが、すぐに公開が終わってしまった。「囁く廊下 女校怪談」(韓国映画)は宮崎未公開なので仕方ない。

このベストテン、選んだのは大森望や添野知生、柳下毅一郎ら15人。対象は1月から12月までに公開された(ビデオ含む)作品だが、選者によっては今年2月公開の「遠い空の向こうに」と初夏公開の「アイアン・ジャイアント」を入れている人もいる。この2本、東京ファンタでやったんでしょうか? 「遠い空の向こうに」については今月号のSFオンラインにレビューも掲載されている。添野知生のレビューによると、「米東部の炭坑町を舞台に、高校生4人のロケット製作を描いて、そこに社会の―いや宇宙のあらゆる面をぎゅっと凝縮してみせた、大粒のダイヤモンドのような名作である」とのこと。期待が高まります。 (1月26日)

[BACK]

「レモンハート」と「リング0」

「リング」シリーズに関しては、小説の3部作こそ読んでいるものの、映画とテレビに関してはほとんどまともに見たことがない。テレビドラマはもともと見る習慣がないし、映画は昨年前半までは映画館にあまり行かない時期(?)だった。それ以上に僕は小説の「リング」シリーズをあまり評価していない。SFファンの眼で見ると、「ちょっと違うなあ」という気がするのだ。どこをどうと聞かれると困るが、細かい部分に違和感がつきまとう。だから昨年、「リング」をフィーチャーした中短編集「バースデイ」が出ても、「そこまでつき合う気はないよ」と読む気にならなかった。しかし映画「リング0 バースデイ」は面白かった。原作と比較したくなって文庫本を読んでみた。

「リング0」の原作は3編収められた「バースデイ」の中では最も長い「レモンハート」。現在47歳の遠山の回想で劇団在籍時の山村貞子が描かれる。音響効果担当の遠山は同期入団の研究生貞子に恋心を抱く。貞子は19歳。少女らしさと大人の色気を併せ持つ不思議な美人である。遠山の思いは貞子に伝わり、遠山は相思相愛になったと信じるが、貞子は言い寄ってくる演出家の重森も邪険には扱わず、遠山には貞子の真意がつかめない。ある日、音効室の中で遠山と貞子は愛を確かめ合う。その時の様子はなぜかカセットテープに録音されていた。それを遠山の同期生がスピーカーで流してしまう。そのテープは4人が聴いており、そのうちの一人、重森は次の日に死亡。残りの3人も現在までに次々に死んでいることが分かる。そして遠山自身、体の不調を感じるようになる。

要約すれば、これは幽霊になる前も山村貞子は山村貞子だった、というだけの話である。「リング」のビデオテープがここでは(まだ一般に普及していないから)カセットテープとなる。遠山と愛を確かめ合う前に、貞子はカセットデッキを指さして次のように言う。

「オープンテープよりずいぶんと小さくなって、録音も簡単そう」
「ああ実に便利だ」
「映像もそうなるのかしら。映画館にある映写フィルムじゃなく、カセットテープぐらいの小さな媒体に、いろいろな映像が記録できるようになるのかしら」

貞子はここで既にリングウイルスの繁殖を意図しているかのようだ。映画の貞子は違う。幽霊が見えてしまう貞子は劇団に所属しながら病院に通っている。主演女優の怪死など貞子の周囲では不思議な出来事が次々に起こる。貞子が意図したものではなく、これは貞子のすぐそばにいる邪悪な誰かが行っていることなのだ。貞子は超能力者ではあるけれども、その力はまだ発揮されていない。貞子が自分の力に目覚めたときには、事態はとんでもない方向に向かっているのである。世間から理解されない超能力者の悲劇。脚本の高橋洋は貞子を「キャリー」のように描くことを考えたという。原作とストーリーは全く異なり、これは脚色というよりほとんどオリジナル脚本と言っていいだろう。原作から借りているのは設定だけなのである。

原作を読んで改めて映画の良さが分かった。映画評にも書いたように、邪悪な存在=双子の妹、というアイデアは他の作品にも例があるけれど、まともに姿を見せないこの妹の描き方が極めて怖い。薬漬けにされて成長を止められたことがどんなにひねくれた存在を生み出すか想像に難くないのである。そして貞子の運命。養父から井戸に落とされた貞子は超能力者であるがために死ぬこともできず、30年近くも生き延びる。世間に対する怨念がこの間にどれほど増大するか、これまた容易に想像できる。人間が行った残酷な仕打ちが怪異となって返ってくる。「リング0」から読みとれるのはこうしたことではないか。遅すぎる認識だが、高橋洋と監督・鶴田法男の作品には今後注目していきたいと思う。(1月29日)

[BACK]



1月のコラムの冒頭に戻る