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2005年11月07日 [Mon]

「Photoshop CS2 パーフェクトマスター」

「Photoshop CS2 パーフェクトマスター」表紙索引を含めて663ページのボリュームで買った。秀和システムの本で初版は9月25日。内容を少し読んだら、メニューをくまなく解説していて丁寧。初心者向けかという感じもするが、初心者でPhotoshopを使う人はあまりいないだろう。とりあえず、どうすればどんな効果が加わるかというのは分かる。

問題はフィルタなどの加減をどの程度にすれば、もっとも良い効果が得られるかということ。それは経験的に理解していくしかないのでしょうね。好みの問題もあるし。

PhotoshopにはImage ReadyというWeb用の素材作成ツールが付属している。だからなおさらFireworksは要らない感じがする。マクロメディアの吸収合併が終わったら、Fireworksは消えゆく運命なのだろう。Fireworksといえば、G-TOOLの著者の本(「一撃必殺!FIREWORKS2」)は以前参考にさせてもらったものだが、その著者自身、Fireworksの吐くHTMLについて否定的なことを書いていた。と思って探したが、サイト内にはないようですね。要するにテーブルタグでレイアウトしたページはアクセシビリティが良くないのである。僕は使い始めた最初のころから、膨大なJavaScriptを吐くHTMLが好きになれなかった。ページが重たくなるのも嫌だった。Fireworksがいいのは画像を簡単にきれいなままにファイルサイズを小さくできることで、ここ数年はスキャンにしか使っていない。

Image Readyも同じようなものだから、これを使ってメニューなどを作ることはないでしょうね。

イーヤマ、民事再生法を申請

先日、液晶ディスプレイの動向を見ようと、イーヤマのサイトを見た時にあまり買いたいと思わせるものがなかったのはこういう背景もあったためだったのか。ナナオはブランドなので高い製品でも売れるのかもしれないが、それより少し落ちるイーヤマは難しいところにあるのだろう。倒産したわけではないので、再建はできるのでしょう。

ナナオも格安製品とのしっかりした違いをアピールしていかないと(そういう製品を作っていかないと)、うかうかしていられないのではないか。同じことはジャンルは異なるが、カノープスあたりにも言えることかもしれない。

[MOVIE] 「ブラザーズ・グリム」

「ブラザーズ・グリム」パンフレット「ラスベガスをやっつけろ!」(1998年)は未見なので、「12モンキーズ」(1995年)以来10年ぶりに見るテリー・ギリアム監督作品。「ほら男爵の冒険」を自由に破天荒に騒々しく映画化し、世間的には失敗作といわれる(しかし僕は傑作と思う)「バロン」(1988年)のような映画かと思ったら、グリム兄弟をモチーフにしたダークなファンタジーだった。至る所にギリアムらしいシニカルさや残酷な味わいは散見されるが、後半がまともな魔物退治になっていくあたりがやや不満で、全体としては平凡な出来と言わざるを得ない。いつものギリアム映画のように、この映画もまた撮影終了から公開まで2年もかかるなど製作過程ではいろいろなゴタゴタがあったそうだ。そういうことが少なからず映画の出来に影響しているのだろう。シーンのつながりでおかしな部分や冗長に思える部分が目についた。

母親と2人の子供が寒さに震えて次男の帰りを待っている。次男は牛を売りに行ったのだ。ところが、次男が持って帰ったのは魔法の豆。詐欺師に騙されてしまったのだった。という「ジャックと豆の木」のような冒頭からジャンプして映画は15年後、19世紀のフランス占領下のドイツで詐欺師として生きるウィルとジェイコブのグリム兄弟の場面となる。兄弟は魔物を退治すると偽って金を稼いでいた。それがフランス軍のドゥラトンブ将軍(ジョナサン・プライス)に発覚し、拷問が趣味の部下カヴァルディ(ピーター・ストーメア)とともに兄弟は子供が次々に失踪している村マルバデンに無理矢理、派遣される。村の事件も兄弟が行ったような詐欺と思われていたが、ここには本物の魔物がいた。子供は既に10人失踪し、11人目も兄弟の目の前で魔物にさらわれる。この村には疫病を逃れて高い塔に閉じこもった女王の伝説があり、子供の失踪はそれに関係しているらしい。森の中には狼男や動く木が潜んでいた。2人の妹をさらわれたアンジェリカとともに兄弟は女王の秘密を探り始める。

「赤ずきん」や「ヘンゼルとグレーテル」などグリム童話を引用しながら物語を作ったアーレン・クルーガー(「スクリーム3」「ザ・リング」)の脚本は可もなく不可もなしといった感じの出来栄え。引用が引用だけに終わって、物語と有効に結びついていず、あっと驚くような展開はない。これだったら、グリム兄弟を主人公に据える意味がない。加えて魔物のVFXも標準的となると、あとはギリアムの演出にかかってくるのだが、これまた標準的なものに終わっている。将軍やカヴァルディのキャラクターは一癖あって面白いのだけれども、ただそれだけのことだった。

現実主義者の兄と空想好きの弟というグリム兄弟を演じるのはマット・デイモンとヒース・レジャーで、2人ともやや地味な印象。悪の女王役のモニカ・ベルッチはもっと出番が多くても良かった。ベルッチの美貌にはとてもかなわないが、兄弟と親しくなる男まさりのアンジェリカ役レナ・へディも悪くない。

ギリアムはこの映画の製作が中断している間に「Tideland」という低予算映画を撮り、公開待機中という。「不思議の国のアリス」をモチーフにしているらしい次作で本当に復活を果たしているかどうか楽しみに待ちたい。


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