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2002年9月号

出席者:加賀 鬼束 笹原 横山 林田 杉尾 野口 (書記)酒井
昨年の夏は、「A.I.」、「千と千尋の神隠し」それから「パール・ハーバー」と、次々とヒット作が出て映画館がにぎわったのですが、今年は寂しく大作がない状態です。その中で唯一話題をさらっているのがこの「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」です。では、合評会レポートをお送りしたいと思います。

スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃

【データ】2002年 アメリカ 2時間22分 配給:20世紀フォックス
監督:ジョージ・ルーカス 脚本:ジョージ・ルーカス ジョナサン・ヘイルズ 撮影:デヴィッド・タッターソル プロダクション・デザイン:ギャピン・ポケット 衣装デザイン:トリシャ・ビガー 視覚効果スーパーバイザー:ジョン・ノール パブロ・ヘルマン ベン・スノー デニス・ミューレン 音楽:ジョン・ウイリアムズ アニメーション監督:ロブ・コールマン
出演:ユアン・マクレガー ナタリー・ポートマン ヘイデン・クリステンセン クリストファー・リー フランク・オズ(ヨーダ) サミュエル・L・ジャクソン イアン・マクダーミド ベルニラ・アウグスト アーメド・ベスト(ジャー・ジャー・ビンクス) オリバー・フォード・デイビス テムエラ・モリソン アンソニー・ダニエルス(C-3PO) サイラス・カーン ケニー・ベイカー(R2-D2) ジミー・スミッツ

参加者全員が見ていました。これまでの「スター・ウォーズ」シリーズの中でも、評判は良いみたいです。

鬼 束 最初は暗かったのですが、後半はスペクタクルシーンが多くて良かったです。前半はついて行きにくかったのでが、後半のコロシアムの大戦闘シーンが凄かった。良くできていますが、少し荒いような気がします。でも、僕は個人的にはエピソード1の方が好きなんです(この前、DVDで見直した)。評判は良くないのは知っていますが。アミダラのファッションはとても素敵です。アナキンとアミダラの結婚についての描き方は、上手ではないが、それなりに納得できます。今回は、ヨーダの表情が良くできていました。ライトセーバーのシーンも良かったのですが、もう少し、決めのポーズがあると、カッコ良くなったと思います。エピソード2は、エピソード3に結びつく作品なので、その点では、十分に、その位置付けが出来ていると思います。エピソード3が楽しみです。ライトセーバーの二刀流もあって、日本的だったのですが。枝の部分が切れるのがあって、あの部分もう少し凝って、一本が短くすると、本格的な二刀流になるのではないかと思いました。

野 口 エピソード1を(ビデオで)観た後、この作品を観ました。エピソード1は、ピデオでは安っぽく見えたけれども、さすがに、エピソード2を、劇場でみるとそんなことはなく、大迫力で良かったです。このような事から、エピソード1よりはずっとこの作品の方が良かったです。ハンソロのファンなので、あまりこのシリーズ(エピソード1と2)は興味がなかったのですが、話のつながりが見えてきたので、見に行って良かったと思います。エピソード3が楽しみです。ただ、「スター・ウォーズ」シリーズには、何のメッセージ性も感じていないのでこのくらいにしておきます。

林 田 今までの「スター・ウォーズ」の中では、一番良かったと思います。でも、細かい点は、あまり理解していないかも分かりませんが。前の3作は、いずれもビデオで観て、この前のエピソード1から劇場で観ました。でも、エピソード1は、ほんとにつまらなかった。今回は、画像がきれいだったことと、CGの使い方が良かったので、感激しました。スカイウオーカーも格好良く、アミダラもエピソード1よりは綺麗になっていた。そう言うことで、エピソード3がとても楽しみです。

加 賀 これで、20年目ぐらいで5作目です。5作目になると、大作の風格も出てきて、オープニングの音楽を聴くだけでわくわくするようになります。ですから、そうそう面白ければ許せるかなという感じです。今回は、そろそろ終盤に近づいて、最初の「スター・ウオーズ」とのつながりとかが出てきて、それなりに楽しかったです。最初の犯人を追いかけるシーンとか、オビ・ワンが、変な惑星に調査に行くシーンとかは、サスペンス風で面白かったです。2人の恋愛シーンは、頂けなかったのですが、これらの事が絡み合って、どのようにエピソード3につながるのか、早く観たいです。

横 山 前半はつまらなくて、どうなることかと思ったのですが、後半は非常に面白くて、結果的に満足出来ました。2人の恋愛シーンは、帝国の逆襲のハンソロとレイアに比べると下手でシンプルで陳腐だったと思います。ジョージ・ルーカスの演出は下手で、プロデューサーの方が良いのではないかと思います。考えてみれば、「アメリカン・グラフィティ」も、演出は良くなかったし、「スター・ウォーズ」も、2作目の「帝国の逆襲」に比べると落ちると思います。話としては、「帝国の逆襲」に似てると思います。「スター・ウォーズ」の1作目を観たのが、大学1年の時で、それとともに、歩んで来ているので、1作目にストーリーがつながっていくとなつかしさを覚えます。その点があるから、正確な評価が出来ないのではないかと思います。

笹 原 前半がきつかったが、後半はそれを補うだけの話の展開があり良かったです。もちろん、エピソード1よりはずっと上です。横山さんが言ったように、ルーカスは決して演出はうまくないと思いますが、それなりに今回はこなしています。出来が良かったので、早くエピソード3を観たいです。

酒 井 「スター・ウォーズ」のシリーズは、お祭りなんですよ。ですから、あんまり作品の質を云々と批評するのは、野暮なことかではないでしょうか。前作に比べて、今回は、割と良かったのではないかと思います。僕も前半のもたつきは、「早く終わってくれよ」と時計を見ながら思いましたが、後半良く盛り上げました。特に、ジェダイがいっぱい出てきて、戦うシーンがありましたが、いままでの作品では、ジェダイ、ジェダイと大切に扱っていて、出し惜しみをしていたのですが、今回は、いっぱい出てきて感動しました。特に、ヨーダが強いのが感銘を受けました。僕は、ライトセーバーを振るうヨーダを観るだけで、この映画の価値があると思います。これだけ、期待を持たせると、エピソード3はどうなるのか、皆さんで想像してみるのも楽しいのではないでしょうか。

杉 尾 面白くて、アナキン・スカイウオーカーに惚れてしまいました。今まで、杖をついてよたよたしていたヨーダが、凄く強くなって、思わず拍手してしまいました。今回の作品は、私の好きな愛がふんだんに盛り込まれて良かったです。満足して帰りました。

林 田 でも、他の人は愛が駄目と言っていますよ。

横 山 あれさえなければ、良かったんですけどね。

笹 原 あの部分は、あの作品では違和感が無かったですか。

酒 井 流れが止まってしまった。

あと、「スター・ウォーズ」シリーズ全般についての議論が果てしなく、進んでいきまし た。


今月の一本

鬼 束 『おもひでぽろぽろ』 『STANLEY KUBRICK A LIFE IN PICTURES』(DVD7枚組BOX特典) ジャンルを超えたマルチ音楽LIVE『ね。』(県立芸術劇場) 講演会『ミローその生涯と作品_』(宮崎県立美術館)

野 口 『ヘドウィッグ・アンド・アングリー・インチ』 これは良かったです。音楽、映像、話も良いです。

林 田 本『私はチェコびいき』大鷹節子著 外交官の奥さんから見たチェコについてが描かれています。

杉 尾 『シッピング・ニュース』 最初の方の溺れている顔がケビン・スペイシーに変わっていくところがらはまってしまいました。

加 賀 ディズニー映画の『アトランティス』 宮崎監督の「ラピュタ」の影響を受けていると思いましたが。

笹 原 『美しい夏キリシマ』 黒木監督の集大成です。

横 山 推薦作はないので、ひどい作品『SPY_N』

酒 井 『ロード・ツー・パーディション』 アメリカでは、この夏一番の作品です。

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