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2003年8月号

参加者:笹原・酒井・杉尾・林田・矢野 書記:加賀 

めぐりあう時間たち

監督:スティーヴン・ダルドリー 原作:マイケル・カニングハム 脚色:デイヴィド・ヘア
出演:ニコール・キッドマン ジュリアン・ムーア メリル・ストリープ エド・ハリス

酒 井 もう観て、ほぼ1ヵ月になるんですが、ちょっと記憶はだんだん薄れてきているんですけども、見終わった後のイメージは暗いというか、重苦しい雰囲気に包まれて、決して楽しんだという形の映画では無かったと思います。3人の女性のそれぞれの苦悩を描いているんですけども、いまいちなんでそんなに苦しんでるかというところの説明というか、それがよくわかんなくて。そんなの別にとか、そういうふうに思うようなところがありまして、説明が映画では、きちんとされてないんですね、たとえばバージニア・ウルフがなんで精神に異常をきたしたかというところと、ジュリアン・ムーアがなんで子どもを捨てて家を出なきゃいけないか、というところ。メリル・ストリーブが昔いろいろあったというところも、ちょろっと話しか出てこずに、いまいちそこらへんがよく分からなかったんですけど、ただ映画の作り方としてみると非常にですね三つのストーリをうまく繋ぎあわせて、撮り方が非常にうまいんですね、ですからそういうところには、非常に感心したんですけども。ただ要するに、そこに映画の中に入り込めたかというと、ちょっとやっぱり私には理解不能な部分がいくつか有りまして、前評判で期待したんですけども、前評判どうりにはいかなかった。というのが僕の正直な気持ちです。

笹 原 この映画を観ている時に、クライマックスのところで仕事の電話が入りまして外で話をしまして、ちょっと家からも電話が入ったりして、肝心なところを見逃してるもんですから。他は見ましたけども、ちょっとストーリに関してはもう一回観ようと思いながらも、まだ観てないという状況です。全体的な印象は決して悪くはないんですけども、いろんな女優さんの演技のアンサンブルが面白かったなと、いうところと、自分の好みであるところのジュリアン・ムーアですね、がんばってるのが嬉しかった。それともう一人は、ミランダ・リチャードソンですね、バネッサ・ビルの役をした。この人がこの間「スパイダー」という映画があったんですけど、クローネンバーグの、これで素晴しい役をするんです、観たら分かると思いますけど。
 リチャードソンの一人芝居みたいな感じで、それも良かったんですが92年、「クライング・ゲーム」と「ダメージ」と「魅せられて4月」と「愛しすぎて詩人の妻」かな、これでいろんな賞を取ったんですよ、この人は。この人はすごい女優さんでね、いろんな顔があるんですよ、だから今回も違った顔だったし、「スパイダー」と時は、皆観るんだったら、詳しく言えないだけども、ある特殊な役をするんですが、全然違う役だなと思ってね。そういう意味では面白かったです。

林 田 三つがうまく絡んでいるというのは、酒井さんのおっしゃったとおりなんですけど、どうしてだか分からないっていうところは、分からない人には分からないで当たり前ですよね、分かんないんだからね。
 ただね、分からない悩みっていうのは、一見人に話したりすると贅沢よっていわれるような、贅沢よとか、苦労を知らないとか、いろいろ言われて一蹴されることが多いんですけど、そのなんとなくもやもやとした悩みというか「人形の家」のノラのような可愛がられて大事にされて、ジュリアン・ムーアのところに絞って言えばですね。なにを悩むのかと言われると、あの映画を観てるかぎりでは、悩む必要はない、可愛い子もいて、妊娠もしてて、大事に家庭を守っていけばそれでいいじゃなか、としか思えないですけど、その説明ができない悩みっていうのは、私自身もそれは、しょっちゅう考えるんですけど、誰に訴えようもない悩み、裁判かけたら、絶対負ける悩み。それから世間体で考えてもおかしいと言われる悩み。
 そういう悩みっていうのは、ただただ、もやもやもやとあんな風になって行くという気持ちは分かるんですね、じゃ、なにが物足りないのと言われても、男の人は仕事というものが有って、私もちょっとはしましたけれども、それに情熱をかけて、家庭は家庭で愛しく大事にして割り切れるんですけど、やっぱり主婦の場合っていうのは、贅沢ですけど、こんなことしてていいのかとか、もっとなにか社会的に認められることはないかとか、他人の為だけに生きていていいのかとか、まあ下らないことですけど、そういうのがもやもやあって、私もほんとふくれっ面したまんますごした何年間という、ほんと結婚してすぐの頃からだけど、物足りない物足りない、これで終わるのかとか、なんかそういうものかなと、自分自身のそういう気持ちが、あの主婦の気持ちかなと、そうじゃないかも知れないけど、あの夫婦もなんですけど、奥さんの悩みを話したところでご主人は絶対分かってくれないし、きっと、いい子だいい子だそんなことは悩まなくっていいとか、言ってくれる優しい夫だろうと思うんですけど。
 だから、いっそのこと悪い夫だったら、世間的にも殴るとか、金遣いが荒いとか、そういう一見悪いと決め付けられるものを持ってる男の人に対し闘えるし、分かれるのも簡単とおもうんですけど、なんにも悪くない人に対して、ただ嫌だという気持ちというのは、多分あんなふうになっちゃって、まあそれを乗り越えて、こんなもんだろうと一生を終わる。男の人にもあるかも知れないけど、私なんかも、これでいいとするかというところへたどり着くまでに時間はかかって、あの人はそこでぱっとそれを思い切って捨てたというところは、一種の尊敬はしますけど、捨てるほどの仕事をあの人がしたかどうかっていわれると、それもまた子どもを育てる仕事がこの世では一番大切なんじゃないかとも思えるし、そういう意味では、すごくほんとに分かった三つの内の真ん中ですね。
 ヴァージニア・ウルフの方は今「ダロウェー夫人」を読んでるんでけど、これがまた、中々先にすすまない難しい小説。これじゃやっぱり最後は死ぬしかない。と言うくらい悩んでるダロウェー夫人の悩みはやっぱり、普通の凡人にはわからない悩みなのかなという思い。
 最後は、メリル・ストリープは私は真ん中あたりまで、感情移入してしまって最後女の人同士が、とかそういうとこに関しては、全然感激も無かったし、どうでもいい、最後の部分はそうでした。でも、あの男の子がああなったていう、ほんとに可哀そうだなっていう気持ちで、また涙がでましたけど。

杉 尾 私は映画を観て、こんなに情緒不安定になったのは初めてです。見てるうちすごく鬱陶しくて、全然明るい場面がなくて、3人の女性が悩み苦しんでて、ヴァージニア・ウルフとメリル・ストリープの悩みというのは分かりやすいですよね、真ん中のローラの悩みも、私は女性だから、よく分かりました。
 分かるけど共感できない、共感できない部分を見て、良かったって、観てる人達の意見を聞くと、それが共感できなかった自分に脅迫観念が襲ってきて、私は女性として、まずかったかなと思って、ものすご悩み苦しんで、おんなじ気持ちの女性はいないかと思って友達に全員観に行ってくれと頼みまわったけど。
 同じような意見の人もいたんだけど、さっき酒井先生が言われたように、話の構成というのも面白くて、飽きはしなかったんだけども、とにかく、始終泣き顔と悩みの言葉とだけで、そういうのは分かるから別に見なくてもよかったかなていうような感じでした。私もただのうのうと考えずに生きてきたわけじゃないから、林田さんと一緒で、すごく悩んでた時期もあって、そこで自分の気持ちをすごくポジティブにポジティブにもってきて、今が在るわけで、もう一度映画の中の悩んでた部分に戻ろうとは思わないもんだから、とにかく見てて分かるけど、鬱陶しいていう感じでしたね。
 子どもの表情がたまらない。母親があんなに情緒不安定だから、その母親の顔を見て過ごしている子どもがすごく哀れで。結局ああいうふうになったのは、女性に信じられないものがあったかなんかで、ああいうふうな形に求めていったのかなぁていうふうにも思ったりしました。
 ローラの気持ちはすごく分かるんですよ、私も最初見たときに人形の家のノラを想像したし、これといった悩みじゃなくて夫もいてっていう感じで、これでいいのかしらと思うのは誰しもやっぱり思うことで、正当化できない悩みというのを自分が持っているのが今正当化できない悩みだよなっていうのが、自覚できてる内はいいんですよ、だけどそれが分からなくなっちゃうと結局、ポーンと弾けて子どもも捨てられるほどの気持ちになっちゃうのかな、でもそれはその人自信でないと分かんない事であって、いくら分かろうと思っても私にはわかんない領域だな、せっかくお腹に入ってるが生まれた後にそれを置いてでていくほどの苦しみなんだろうけど、もうそうなってくると私の感覚からすると理性を失っているというか、彼女はあの映画の中では描ききれていない。 たとえば彼女が結婚する前に、やりたい事がとってもあって、それでも時代背景もあるし、何となく結婚したのか本当に好きになって結婚したのわかんないけど、それでやり残してる部分が有るとか、そういう引っ掛かってて、こういう事がしたいていうので飛び出すんだったら、まだ少しは分かるんだけど。
 それとか他に好きな人がいたのに、何となくこっちと結婚しちゃったなぁとか。そういう部分で燃え残した部分が有って、ていうのなら、またそうなのかって分かるし、それがただあれだけだったら、そこまで悩むっていうのが、やっぱり理解、ぼやぁっと分かるけど共感はできない。 捨てるまでに行くまでのそれが描ききれていない。

林 田 後は皆に悩ませるていうのかもしれない。

杉 尾 横山さんは人の悩みなんか知ったことかって、書いてあった。

矢 野 先月の合評会の後に話題になったですよね、それからすぐ行って。 悩んでる作家の人、ほんとに悩んでるだろうなって、本当にそれが、可哀そうにじゃないけど、本当に逃げたくて駅まで行っても、あそこで解放してあげれば、生が長かっただろうにとか思いながら、そこでご主人が着てしまったが為に、自分でここまでしかないというところで自分の命を絶ってしまった。
 後は子どもを捨てた人。自分には出来ないていう、子どもを生んだ以上は育てなければいけないし、それがと当然であって。でもできる人とできない人がいますよね、それで母親になって当然と見てしまう、そういうのがあるわけで。
 でもやはりそこで出来ないと思った人は、ああいうふうにいくしかないだろうなと、可哀そうになにかできないかなと、もしかしたらあそこで、あの方は自分でその家庭にいたときには自分の命を絶ったかもしれないなって思うように、生と死の対照的な二人がいて、もう一人は現実的なんですね。
 その自分の環境を捨てることができて、命を絶たなかったけど自分ができるという生き方に。不思議な感じの映画だったなっていうふうには思いました。

加 賀 観た後の感想は、よく分かんなかったけど、とりあえず面白かったかな。という感じでした。三つの世界で三人がそれぞれ、パーティの準備をするんですが、それぞれに花を飾るシーンとか、交互に描いて、それがリズミカルで良かった。
 全体的に死っていうのがテーマになってて、ウルフが姪と死んだ小鳥の墓を作ったり、ローラの女友達が入院の挨拶にきたりと死の影があちこちに描いてあった。
 あとウルフが姉と会話中に小説の構想が頭に浮かび、その中に入っていったり、部屋中に書きかけの原稿を広げて構想をねるとこなど、興味深かった。
 先に出たローラの女友達をはじめ、当時の1950年代のアメリカ中流階級の風俗が、すごくよく描いてあった。
 でもよくわかんない話ではあった。


メラニーは行く!

監督 アンディ・テナント 脚本 C.ジェイ・コックス
出演 リース・ウィザースプーン ジョシュ・ルーカス パトリック・デンプシー キャンディス・バーゲン

酒 井 僕は悪くは無かったですよ。「メラニーは行く」て題名ですけど英語の題名は全然そういう話ではなくて、「スイートホーム・アラバマ」という題名なんですよ。ですからアメリカの田舎を賛美するというか、そこら辺の視点が強い映画なんですよ、日本の売り込み方っていうのはそうじゃなくって、メラニーっていうわがままな、自分本位な女の娘の話だというイメージでいったんだけど、実はそうじゃなくて非常にアメリカのカントリーの匂いがプンプンしている映画で、そういう意味では逆に違ったイメージ、とらえ方ですよね。 話としてはアメリカ人の好きなコメディーっていうかな、そういう感じなんですよね。とりわけてそれぞれ優れたっていうことも無いけど、まあ考えることなしにアメリカで大ヒットしたコメディーなんですけど、アメリカ人が好きそうなコメディーだなって感じで観ることができました。 だから、ちょっとびっくりしたのはニューヨークとアラバマ、都会と田舎の対比っていうんですかね、そういうところに力点を置いたコメディーであると思います。

笹 原 私は予告編を見て、内容は分かるからいいかと思ったけど、いいって言うんで一応課題作なんで観たんですけど、まったく同じでした。
 これを観て思ったのは男性も女性も同じやなと思ったんですね。なんていうかな、自分勝手。本当にこの主人公みたいに自分が結婚しているのに、まだ離婚をちゃんとしていないのに、別の男性と結婚の約束までしてしまって、そして後になってから早く離婚してって、とんでもないわがままな女やな、馬鹿じゃねえかというようなね、それが結局田舎に帰って前のだんなも良かったなていう話になってくらね、それでね結局ハッピーエンドやっちゃわ、何考えちょっとてね。
 映画のつくりは悪くないんだけども、やっぱり内容的にアメリカは男性も女性も自分勝手、自分たちがよければいい。「ミッドナイト・エキスプレス」じゃないけど、麻薬を吸っても何が悪いんだ、トルコでもってね。そこだけです。
 で、あの主役の娘だめなんです、なんで今回主役やったちゃろと思うような。

林 田 たしかに悪い女でした。やっぱり見ててね腹は立ってくるのよね、ちゃんとしとけばいいのにとやっぱり思うのよ、いいかげんにしておいて、七年くらいあって、こっちで、こっちの男の人の人が可哀そうだなとかね、それはたしかに思いましたけど、まあ映画だからね、普通は無い…有るんですかね、「卒業」という映画でも、結婚式の真ん中で男が花嫁をひっぱっていったりとか、まあそういうたぐいの映画かもしれない。
 たしかに自分勝手で腹が立つ女で、でもいかにもこれはアメリカ、アメリカはこんなものかなというような軽い感じで観ました。
 たしかにちょっと下品なのよね、メラニーの顔とか表情とか、メグ・ライアンと比べるけど、メグ・ライアンの方はちょっと上品だけどこっちの女の娘はちょっとどこかが下品というか、そこが魅力なのかもしれない口元とかなにかが、たぶん今から、これは笹原さんの好みに反してずっと主役を張っていく女優になるのかもしれない。
 アメリカはたぶん、細いでしょあの人、アメリカの女優ってやっぱり細いていうのは貴重なんじゃないかしら、細いというより小柄なイメージ、たくまいい女の人が多いからああいうひょろひょろっとした感じで、やりたい放題って感じが今からもてるのかなあというイメージでした。

酒 井 あの種のコメディはアメリカ人以外にはついていけないんじゃないでしょうか、ぼくが面白かったていうのは、南部と北部との対立というか結局やっぱり南部に誇りを持ってるというところの。
 そこらへんのイメージがよかったですね、別にそれ以降はたいしたことは無いと思うし、まだメグ・ライアンの方がいいかなと。


二重スパイ

監督:キム・ヒョンジョン 脚本:シム・ヘウォン ペク・スンジェ キム・ヒョンジョン キム・ジョンヘン
出演:ハン・ソッキュ コ・ソヨン ソン・ジェホ チョン・ホジン

酒 井 僕が思ったのはスパイ映画というと最近、スパイ映画はスパイ映画じゃないんですよね、「007」観てもあれは何だって、全然スパイのような感じは、昔の我々のイメージのスパイ映画じゃないんですよね、今回の「チャーリーズ・エンジェル」はまだ観てないんですけど、あれも一種のスパイ映画なんですよね、だけどもそういう感じじゃないんですよね、アクションとかああいうものがが中心になってる、そういうとこを見ると久しぶりのスパイ映画って感じがするんですね。ですから、そういう意味で懐かしいというか、本格的でもないんですけど昔見たスパイ映画のイメージが一番あうんですよね。
 先ほど、林田さんからどこが“二重”なのって話を聞いたんですけど、よく考えてみると、まったく二重じゃないんですよね、
 ひじょうにこの作品が上手かったのは80年代の前半の対立の構造をうまく映画の中に生かしてるというところですよね、緊迫した状態を。
 だからそういうところが上手くって、そういうところの背景をうまく生かしてるからストーリがですねひじょうに緊迫感あふれたような形になってるんじゃないかなと思います。
 それから久しぶりのスパイ映画を観たということで満足したんですけど、ただですね最後のシーンはちょっと納得できないっていうか、そこまでやらなくてもいいんじゃないかなっていう気はしました。
 意外と楽しめた作品ですけどね、期待よりは良かったんじゃないかと思いますけどに。あんまり恋愛路線にこだわるていうことは強調しなくって、スパイ映画として非常におもしろかったということで、2人のスパイ同士のあれっていうところはもう一つ描ききれてないような、中途半端なきがしないでもなかったです。

笹 原 北朝鮮の情報部だっけ、中にいて鍛えられた人間が韓国に寝返ってきた、という話なんですけども。
 韓国の情報部に入るんですけども、彼は耐えに耐えて韓国の人たちもこの人は韓国人になったんだなということで思ってたんだけど、実際には北朝鮮のスパイだったという話なんだけども、その描き方が上手いんですよ、自分の仲間でも本当にやっつけるというか、傷つけたりするんだけども、そこまで徹底してるんですよね北朝鮮の、そのへんの描き方が上手いと思うし。 その仲間がいるんだけども、その仲間の一人の女性と親しくなるんですが。それはあんまり描いてないんですよね、途中彼女になんでこんなこと言わなかったんだとかね、逆にやっつけるくらいなんですよね。
 だけど結局はスパイのまま韓国を裏切って逃げていくって話だけども。
 大きなどんでん返しは無いんですよ、そのへんまではね、いつ捕まるか、捕まるか、見つかるか、殺されるかと思うんですけど、利用するんだけど最後にちょっとした事があるんですけど。
 けっして傑作じゃないんですけど、雰囲気的にも好きな映画でした。特に主人公をずっと信じている韓国の情報部員のチョン・ホジンっていう人かな、この人との関係が非常によくて、家庭的で絶対こいつを信じるぞ、おまえ裏切ったら殺すぞという感じの、そういう信頼関係みたいなのがよく描かれてあったなっていう感じはしました。

林 田 おととい観ました。だから一番鮮明に頭にあるんですけど、やっぱり観て面白かった、どちらかというとあまり観たくない映画の種類ではあったんですけど、まあ観て面白かったなていうところはありました。
 ただ「二重スパイ」というところが、これは二重じゃなくってただのスパイじゃないか、なぜ二重なのかっていうのは思う、さっき始まる前に酒井さんに聞いたんですけど。 最後まで徹底して北朝鮮を裏切らなかったという映画ですよね、で南が作った映画にしては最後まで北に命を捧げる映画だなと思って観てました、そこがちょっと面白かった。
 どこかで北を裏切るのかなと思ってたのに最後までなかった。それとやはり拷問というか、ほとんど見てないんですけど耳をふさいだくらいのすごい拷問がずっとあって、人間の信念というのはすごいな、あれを乗り越えて他人を騙す、あれを乗り越えるから他人を騙せるんですけど、そんなことが現実で世の中であちこちで、二つにわかれているのは朝鮮だけですから、あそこはあるのかなと。
 北で何番目とかいう人が南に来てますよね現実に、ああいう人も拷問をうけたのかなとか思うんですけど。

酒 井 しないでしょう。

林 田 そういう意味で自分たちの身近に、わからないことを教えてくれた映画という意味と顔なじみの俳優ということで親しみがもてました。
 最後に南米に逃げるところで、ぱっと恋愛映画みたいな感じになってしまって、あれはやっぱりどうでもいい、あそこでああなるというのは感じてはいましたけど。  でも観て良かったと思う映画でした。


今月の一本

笹 原 「クローサー」 チャーリーズ・エンジェルもおふざけでマンガみたいな話で面白いんだけども、全然レベルが違うなってくらいこっちがいい。

酒 井 「裸足の1500マイル」 決して優れてるというわけではないんですけど、話が実話ということと、最後の顛末ですね、話を聞いた時、ああひどいなあ、ひどいことやってるなあオーストラリアは、というところですね。

杉 尾 「白い犬とワルツを」ビデオ アメリカ映画版 主演ジェシカ・ダンディ

林 田 「一票のラブレター」 ユーモアもあったし、いろんな風刺もきいてたし。

矢 野 「若鷲旗 少年野球大会 決勝戦」 子どもの野球の観戦  4対3で宮崎バッファローが準優勝しまして、今度、和歌山県にいくことになりました。

加 賀 「スパイゾルゲ」 歴史の勉強になってよかった。

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