第78回アカデミー賞受賞作品

 第78回アカデミー賞の授賞式がハリウッドのコダック・シアターで2006年3月5日(日本時間3月6日)に行われました。作品賞は大番狂わせで「クラッシュ」、監督賞は予想通り「ブロークバック・マウンテン」のアン・リーが受賞しました。作品賞と監督賞の作品が違うことはたまにありますが、これに主演男女優、助演男女優を加えた6部門で作品がすべてばらばらというのは第25回(1953年)、第29回(1957年)に次いで3回目のようです。
 「クラッシュ」は作品賞のほか、オリジナル脚本、編集賞の計3部門受賞。「ブロークバック・マウンテン」も監督賞のほか脚色、オリジナル作曲賞の計3部門。このほか、「SAYURI」が美術、撮影、衣装デザインの3部門、「キング・コング」が音響、音響編集、視覚効果の3部門を受賞しました。3部門が最多というのも珍しいですね。これは一歩抜けてる作品がなかったということなのでしょう。
 司会は初めてのジョン・スチュワート。可もなく不可もなしといったレベルのスマートな司会っぷりでした。
 結果は以下の通りです(★が受賞作品)

【作品賞】
★「クラッシュ」
「ブロークバック・マウンテン」
「カポーティ」
「グッドナイト&グッドラック」
「ミュンヘン」

【監督賞】
★アン・リー「ブロークバック・マウンテン」
ベネット・ミラー「カポーティ」
ポール・ハギス「クラッシュ」
ジョージ・クルーニー「グッドナイト&グッドラック」
スティーブン・スピルバーグ「ミュンヘン」

【主演男優賞】
★フィリップ・シーモア・ホフマン「カポーティ」
テレンス・ハワード「Hustel & Flow」
ヒース・レジャー「ブロークバック・マウンテン」
ホアキン・フェニックス「ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道」
デビッド・ストラザーン「グッドナイト&グッドラック」

【主演女優賞】
★リース・ウィザースプーン「ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道」
ジュディ・デンチ「Mrs. Henderson Presents」
フェリシティ・ハフマン「Transamerica」
キーラ・ナイトレイ「プライドと偏見」
シャーリーズ・セロン「スタンドアップ」

【助演男優賞】
★ジョージ・クルーニー「シリアナ」
マット・ディロン「クラッシュ」
ポール・ジアマッティ「シンデレラマン」
ジェイク・ギレンホール「ブロークバック・マウンテン」
ウィリアム・ハート「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

【助演女優賞】
★レイチェル・ワイズ「ナイロビの蜂」
エイミー・アダムス「Junebug」
キャサリン・キーナー「カポーティ」
フランシス・マクドーマンド「スタンドアップ」
ミシェル・ウィリアムズ「ブロークバック・マウンテン」

【外国語映画賞】
★「Tsotsi」(南アフリカ)
「Don't Tell」(イタリア)
「戦場のアリア」(フランス)
「Paradise Now」(パレスチナ)
「白バラの祈り/ゾフィー・ショル、最期の日々」(ドイツ)

【オリジナル作曲賞】
★「ブロークバック・マウンテン」グスターボ・サンタオラヤ
「ナイロビの蜂」アルベルト・イグレシアス
「SAYURI」ジョン・ウィリアムズ
「ミュンヘン」ジョン・ウィリアムズ
「プライドと偏見」ダリオ・マリアネリ

【主題歌賞】
★“It's Hard Out Here for a Pimp”(「Hustel & Flow」)
“In the Deep”(「クラッシュ」)
“Travelin' Thru”(「Transamerica」)

【オリジナル脚本賞】
★「クラッシュ」ポール・ハギス ロバート・モレスコ
「グッドナイト&グッドラック」ジョージ・クルーニー グラント・ヘスロフ
「マッチ・ポイント」ウディ・アレン
「イカとクジラ」ノア・ボーンバッハ
「シリアナ」スティーブン・ギャガン

【脚色賞】
★「ブロークバック・マウンテン」ラリー・マクマートリー ダイアナ・オサナ
「カポーティ」ダン・ファターマン
「ナイロビの蜂」ジェフリー・ケイン
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」ジョシュ・オルソ
「ミュンヘン」トニー・クシュナー エリック・ロス

【美術賞】
★「SAYURI」ジョン・マイヤー グレッチェン・ラウ
「グッドナイト&グッドラック」ジェームズ・D・ビゼル ジャン・パスカル
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」スチュアート・クレイグ ステファニー・マクミラン
「キング・コング」グラント・メイジャー ダン・ヘンナ サイモン・ブライト
「プライドと偏見」サラ・グリーンウッド カティ・スペンサー

【撮影賞】
★「SAYURI」ディオン・ビーブ
「バットマン・ビギンズ」ウォーリー・フィスター
「ブロークバック・マウンテン」ロドリゴ・プリエト
「グッドナイト&グッドラック」ロバート・エルスウィット
「ニュー・ワールド」エマニュエル・ルベッキ

【衣装デザイン賞】
★「SAYURI」コリーン・アトウッド
「チャーリーとチョコレート工場」ガブリエラ・フェスクッチ
「Mrs. Henderson Presents」サンディ・パウエル
「プライドと偏見」ジャクリーヌ・デュラン
「ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道」アリアンヌ・フィリップス

【長編ドキュメンタリー賞】
★「皇帝ペンギン」
「ダーウィンの悪夢」
「Enron: The Smartest Guys in the Room」
「Murderball」
「Street Fight」

【短編ドキュメンタリー賞】
★「A Note of Triumph: The Golden Age of Norman Corwin」
「The Death of Kevin Carter: Casualty of the Bang Bang Club」
「God Sleeps in Rwanda」
「The Mushroom Club」

【編集賞】
★「クラッシュ」ヒューズ・ウィンボーン
「シンデレラマン」ダニエル・P・ハンリー マイク・ヒル
「ナイロビの蜂」クレア・シンプソン
「ミュンヘン」マイケル・カーン
「ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道」マイケル・マッカスカー

【メイクアップ賞】
★「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」ハワード・バーガー タミ・レイン
「シンデレラマン」デヴィッド・リロイ・アンダーソン ランス・アンダーソン
「スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐」デイブ・エルシー アネット・マイルズ

【長編アニメーション賞】
★「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」スティーブ・ボックス ニック・パーク
「ハウルの動く城」宮崎駿
「ティム・バートンのコープスブライド」ティム・バートン マイク・ジョンソン

【短編賞・アニメーション部門】
★「The Moon and The Son: An Imagined Conversation」
「Badgered」
「The Mysterious Geographic Explorations of Jasper Morello」
「9」
「One Man Band」

【短編賞・実写部門】
★「Six Shooter」
「Ausreisser (The Runaway)」
「Cashback」
「The Last Farm」
「Our Time is Up」

【音響賞】
★「キング・コング」クリストファー・ボイズ マイケル・セマニック マイケル・ヘッジス ハモンド・ピーク
「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」テリー・ポーター ディーン・A・ズパンシク トニー・ジョンソン
「SAYURI」ケヴィン・オコネル グレッグ・P・ラッセル リック・クライン ジョン・プリチェット
「ウォーク・ザ・ライン/君へつづく道」ポール・マッセイ ダグ・ヘンフィル ピーター・F・カーランド
「宇宙戦争」アンディ・ネルソン アンナ・ベルマー ロン・ジャドキンス

【音響編集賞】
★「キング・コング」マイク・ホプキンス イーサン・バン・ダー・リン
「SAYURI」ワイリー・ステイトマン
「宇宙戦争」リチャード・キング

【視覚効果賞】
★「キング・コング」ジョー・レッテリ ブライアン・バンハル クリスチャン・リバース リチャード・テイラー
「ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女」ディーン・ライト ビル・ウェステンホファー ジム・バーニー スコット・ファーラー
「宇宙戦争」パブロ・ヘルマン デニス・ミューレン ランディ・ダトラ ダニエル・スディック

【名誉賞】
★ロバート・アルトマン

【ゴードン・E・ソーヤー賞】
★ゲーリー・デモズ