99年7月号(147号)

参加者:臼井・鬼束・加賀・笹原・酒井M・酒井T・もえちゃん・矢野(書記)

今月は、新人2名のご出席を頂いての合評会となりました。尚、特別ゲストにもえちゃんを伴っての参加でした。彼女はただ今日本語習得中です。通訳は酒井Tさんでした。

39

加賀 面白かったですね。演出が良くて、主人公の小川香深(鈴木京香)の演技が今までになく、非常に暗い演技で新鮮で好きでした。刑事役の名越文雄(岸辺一徳)、藤代実行(杉浦直樹)も良かったですね。吉田日出子がもう一つでしたけど。ただ、脚本が刑法39条を基にした映画で、よく分かるんだけど、今ひとつ消化しきれていない感じがしました。

鬼束 一回目見たときに面白くて、終わりの方で、演技がいいから観るだけで面白かったのかなと思ったので、もう一回見に行ったんですよ。そしたら、今度は筋がもう分かってるから、面白くなくてちょっと寝てしまったりして。あまり…。

笹原 期待が大きかったせいもあり、全体的にはちょっとやり過ぎかな、という感じがしました。やろうとしていることは、よく分かるんですけれども、何か凝りすぎ。カメラとか、背景を一部ぼかしたり、前半見せられて、いやだな、やり過ぎだなと思って。「真実の行方」でしたっけ、あれみたいな感じの話かなと思ったら、ちょっとひねっていて、精神鑑定自体を扱っている映画で、そういう意味では面白かったですけど、手法としては今一つついていけなかった。

臼井 どこまでゆーていいんですか? 映画はトリッキーな作られ方をされているんで。最初に見えてた映画の姿が変わるという映画。俺もこの映画は凝りすぎで、(最後で実はうっかり騙されてしまったというのが、僕の弱点なんでしょうけど)。やたらカメラを斜めにしたり、変な撮り方をするというのは実は不愉快だったんですが、最後の法廷での所で(今までみえてた、薄々とはわかるんですが、だんだんと明らかになった所で、あの映画があの山本未来ともう一人、堤真一、あの夫婦の犯罪自体が要するに風変わりで歪んでいるんでしょうけど)、がらっと色が変わるんですよ。その転換ぶりが、あまりにも鮮やかだったんで、僕は騙されてしまいました。久しぶりに映画を観たってこともあって、初めは、随分面白くないなと思って、それは今から考えると、カメラの撮り方がいやらしかったからかな、という気はします。反転ぶりの鮮やかさは、もう一回観ても出るんじゃないかな。脚本の映画なんかな、て気はします。決して悪い映画ではないと思います。 鈴木京香が今、ビールの宣伝で、やっぱ裁判みたいなのをやってるんですけど、CMをバカにしてやってるなというのが、よく解っていいですね。 精神鑑定士が自分に自信がない感じで、伏し目がちでやってるんですけど、そういうところは、繊紬なんか、やり過ぎなんか…。ただ僕は観てて、不愉快じゃなっかった…。鈴本京香は、ま、綺麗ですしね.あれが別の人やったらすげえムカついたかもしれんけど、それなりに面白かったな。今でもまだ残ってる。ただ、やり過ぎなのも認めます。だから今回に関しては「笹原さんの勝ち」です。俺があの映画を誉めているのは間違いなんだろうという気はしますね。

鬼束 山本未来、「不夜城」でデビューしたでしょ。原作読んでたんで、「不夜城」ではイメ一ジ違っててがっかりしたけど、今回は良かった。あれだけでも収穫だった。

笹原 吉田日出子なんか、やり過ぎかなっていう感じはしたけどね。余りにも合い過ぎる。はまりすぎ。あの人はああいったキヤラクターなんで。

臼井 口で取るシーンなんか…。(ここらのテープの聞き取り意味不明)

加賀 あれは監督のアイデアらしい。

臼井 演出家としては大したことないような気がする…。だから脚本の映画なんかもしれないですね。

この後、法律の話に入り、大学時代、自称!「法学の臼井」と呼ばれ? 司法試験を目指した? といわれた彼に聞いてみました。

矢野 観てない人のために、刑法39条ってどのようなものですか?

臼井 責任能力のない人が犯罪を犯しても犯罪にならないということ。その時に心神喪失状態だったとか、もしくは禁治産者、準禁治産者が、人を殺したからといっても、人殺しに対して、人を人として意識できないわけで、責任能力が立証できない。殺した人間というのは人じゃないっていうこと。昔、「衝動殺人 息子よ」という映画があって、これが映画的にはとてもつまらない映画だったけど、覚醒剤を打った人が殺人をする、そういう映画。ただ覚醒剤を打った人間 の殺人には、別に、なぜ覚醒剤を打ったかということが問題にされる。

鬼束 刑法39柔は二行しかないから解りやすい。

(以下の文章は私の理解を超えた内容ですので誤った文章になっている可能性は大です。ごめんなさい)

臼井 ・膨大な判例によって法律は形成されている。
    ・法律の文章が明治時代から変わっていないから解りづらい。
    ・アメリカの禁酒法の話

等々、そしてあらすじの話に進み、最後は「ラストは意外だった!」「鈴木京香の美しさにやられてしまった!」でまとまりました。

恋におちたシェイクスピア

加賀 久々に映画を見たなという気がしました。ロミオとジュリエットの話をここまで広げて脚本を書いた人はすごいなと思いました。シェークスピアが生きた時代のイギリスの風俗や、ショー・ピジネスがどうだったとか、観て勉強になって、楽しかったです。話もどう進んでいくか、わくわくしながら、最後まで観ました。ラストの方で、船が難破して女性が幻想の世界に入って行くんだろうけど、あの辺りがよく解らなかったんで、(みんなに)聞いてみたいなと思っていました。とりあえずいい作品でした。今年のベスト2に入ります。

someone(ベスト1は?)

笹原 (加賀さんに代わって)スター・ウォーズ(皆爆笑)

鬼束 あまり面白くなかった。ストーリーはすんなり解って、普通に見えたからいいんだと思う。古典だから、映像の作り方がすごく難しいと思う。だからあれ以上に作ろうと思ったらよっぽど真剣に作らないと、ちょっと仕上がらないかなと、そういう見方をしてしまったんで、もう1回、観てみたいなと思います。皆誉めるんで…。

もえちゃん ○*1$%#&*?だあ〜っ!

笹原 ロミオとジュリエットの話はほとんどの人が知っていると恩うけど、これを知っていれば、2倍楽しめる、という映画。構成がすごいなと。最後まで飽きなかった。その理由は細かいところに凝っていて、笑わせるなど、観ていて飽きない。主演のグウィネス・パルトロウが初めて光ってたな。今までいろんな映画で、観てきたけど今回は良かった。

酒井 非常に総合点が高いというか、ドレスから、音楽から、メーキャップからすべての点でパーフェクトに近い感じの映画です。ただ、観た後でどれだけインパクトがあったかなと思うと、するっと抜けて終わっているかなと。ただ映画として丁寧によく考えて作ってあって、特に何がうまいかというと、脚本が1番いいと思います。最後は、ロミオとジュリエットの話に基づいて悲劇にした方がもう少し印象が残ったかなと思いました。ただ、今年のオスカーを取ったということは(「ライベート・ライアン」観てないから何とも言えないんですが)、アメリカ人好みの映画かなという感じはしましたね。とにかく映画としては非常にいいと思います。個人的には心に残って感動する映画かなと、その分では、いい映画ではなかったかなと。

酒井T 私の場合は、映画がどうのこうのではなくて、「恋する女はステキね!」みたいな、そういうところでは良かったな、という映画でした。

もえ もえちゃんです。(代弁:酒井T)

臼井 悪い評判聞かないんで、去年の「シャイン」みたいな試金石になりそうで、でも、活劇であって欲しいなと思ってる。どーでもいー映画かな、観てないけど!

矢野 楽しかった映画です。作りがうまくできてて、シェークスピアってどんな人だろうって、そう思いながら観てました。自分が好きな映画かどうかというと、真剣な愛とか深刻な恋とか,そういう映画は苦手なので最近観た「シン・レッド・ライン」と比べてどちらを選ぷかというと「シン…」です。でもよく作られている楽しい映画なのでたくさんの人に観てもらいたいです。

臼井 活劇はあるの?

someone あるよ。

臼井 一瞬でも心躍れば、それはいい映画!

この後楽しい話がたくさんあったのですが、なぜか録音テ一プからは、以前録音した内容の声とダブって、聞き取り不可能! なぜ、この映画がアカデミー賞をとったかという話やシェークスヒアは何世紀の人かとか、シェークスピアの作品の映画は面白くないなど、楽しい話満載だったのですが…申し訳ありません。あとシェークスピアの作品だから綺麗な言葉を使っている…エリザベス女王は重要な役どころ…待女が面白かった…アカデミー賞を取るためにかなり宣伝したみたい、反スピルバ一グが多いとか、などなど…

今月の1本

加賀 「RONIN」犯人はいますが(笑)、結構部分部分見せていい。

鬼束 爆笑聞題の日本原論。

笹原 「カラー・オブ・ハート」好きです。

酒井 邦画で「愛を乞う人」

臼井 宇多田ヒカルちゃんの歌。

酒井T ???(はいってませんでした!)

矢野 「シン・レッド・ライン」

もえ NHK教育の「英語であそぽ」のミクおねーさんが「しまじろう」に出ていたのでびっくりしました。(代弁:酒井T)

[BACK]

99年6月号(146号)

久しぶりに沢山の顔ぶれが揃い、にぎやかな合評会になりました。観てきた作品が、そ れぞれにばらついてしまったので、結局、この作品一本に搾られました。むむむむっ・・・今回はなんだか意味もなく、みょ〜に緊張している書記なのでありました。

シン・レッド・ライン

監督:テレンス・マリック
出演: ショーン・ペン ジム・カヴィーゼル ジョン・キューザック ニック・ノルティ

C 最近の戦争映画は昔と違って、どうしても悲惨でみんな苦しんで、戦争はいやだと いう描き方なんで、今の映画って大変だなぁって思いますけど。昔みたいに単純で、わく わくとできないというところがありますね。で、「シン・レッド・ライン」については、 やっぱり、3時間はちょっと長いなと思って、2時間過ぎると集中力がとぎれてしまうん で、最後の30分あたりでは、ぼーっと見ていた気がして、(笑)ラスト近くで重要な人 物が死んだんですけど、誰が死んだのかなぁ(笑)と、ちょっと気がつかなくって・・・ 埋められたのは、誰だったのかなぁ。(皆:えぇ〜!)あの辺、僕の見方が悪いのかそれ とも編集の仕方がまずいのか・・(皆:もぉ〜、あんたの見方が悪い!)「プライベート・ライアン」に比べて全体的に優しいというか、きれいに作ってあって ・・ま、そのあたりが狙い目なんだろうと思いますけ ど。ヨーロッパで太平洋戦争のこ とを田舎の戦争とか言ってましたけど、ま、本当に田舎の戦争やなと思って見ていました。

B 3回見ました。最初見た時はセリフが詩のような感じで、なんだか、解ったような わからんかったような印象で、出演している役者も新人とかで、どの時から出てき たの か後半になってやっと(人物を)覚えてくるという感じで、だから、2回、3回と見たん ですが。あの監督は映像が(「天国の日々」とかで)評価されていたんですが、今回のは 僕は映像よりも脚本というか、セリフがすごく良かったです。最初は確かに長く感じて、 だけど、何回も見て前半の銃撃戦のところより、後半の方が描きたいところなんだなぁと いう気がしました。ショーン・ペンがやっぱり良いですネ。感動しました。

F プライベート・ライアン」は見ていないので、比較はできないんですが、どちら かというと哲学的でセリフというセリフではなくて、朗読と言う感じて、ほとんど、詩を 聞いているみたいな感じでした。詩と島の映像とが入っているので全然戦争映画という感 じがしなかった。人がどんどん変わっていくシーンが詩的で普通の戦争映画とは違う感じ を受けました。

D だいたいこんな映画だろうと予測はしていったんで、別に驚きはなかったんですけ ど、ただ、これは、いつまで続くのか、いつになったら話が進むのだろう(笑)と、ちょ っと不安だったりしたんですけど。あの、あと戦闘シーンになってその後どうなるのかな とそればっかり心配してしまって・・・。たら、ちゃんとそれなりの話の盛り上がりがあ って・・・。本当にさっき皆が言ってみたいに詩の朗読みたいでね・・・昔見たアラン・ レネの「夜と霧」を思い出しました。「天国の日々」、昔見たんですが、映像がきれいだ ったという印象は残ってるんですけど、あとは、あまり残ってないんですヨ。今回は映像 では自然の撮り方とかうまいなぁと思いました。そういうところと戦争の部分を描いたというのとが非常にマッチしていたなという気がして、心地よい感じで最後まで見ました。役者もニック・ノルティが一番よかったなぁ。「プライベート・ライアン」とは違った意味で私は好きでした。

H 「シン・レッド・ライン」は正に我が意を得たりというか、そんな感じで「プライベート・ライアン」で、もやもやとした気持ちや疑問に思ったことがすっと抜けていった感じでした。「プライべート〜」と違って、残酷な殺戮シーンも必要最小限に押さえてあって、後は見る人の側がその人の感性とか想像力で受け止めるというふうに作ってあるなと思いました。まさしく、戦争映画だなって。(何を以て戦争映画というのだろう。)私が戦争映画に求めるものは、ああいうことです。人間というのは唯一、生存競争とは関係のない別の無意味な殺し合いをする生き物であって、その辺がものすごく愚かなことだっていうのを上手に見事に表しているという感じがしました。で、映画館では男の人が沢山きてたんですけど、がぁ〜っと欠伸をしていたりしていて・・・(笑)。確かに、長かったんですけど、じっくり考えながら見られるのが良かったです。見終わった後は少し物足りないというのが残るかもしれないけど、家に帰ってじわじわといろんな場面が思い出されるというか・・。私は、若い兵士がおじぎ草をそっとなでるシーンがなぜか印象に残りました。「プライベート・ライアン」とは比べられません。

E でも「プライベート・ライアン」もヒーロー的な映画とは別の意味の映画作りをしている訳でしょ。

H 「シン・レッド〜」は一人、一人が死に直面している部分での描き方だけど「プライベート〜」は命令されて動いているその矛盾とか葛藤を描いてるというか・・。そこら辺ではなくって、ひとつ一つの命の尊さをどういうふうに描いてゆくかとか、生きることの意味みたいなものを描いているというような気がするんですヨ。

C 確かに、「シン・レッド〜」は、ひとりひとりの内面を描いている。何を考えているとか、どんな悩みを持っているとか・・兵士一人一人の・・内面を深く描いてるって感じよね。それと自然を美しく撮ってるね。

E 是非、見てみたいですね。でも、3時間というのは長いなぁ〜。

C 2時間半で(映画館から)出ればいいじゃん。(笑)

E ・・・で、みなさん、(結論としては)良かったんですか?

D はっきり意見が分かれてしまう映画だよね。

G Dさんはどうして「プライベート〜」は最初の30分しか意味がないと思うの?

D 後半は大義名分だけでああいったことになるというところなんか全然、私としては面白くもなんともないし、話もドラマとして面白くなくて意味がないと思うよ。

C ・・・で、最後に死んだのは誰や?

「あれはねぇ、まったくもおぉ〜・・・・」と皆からあれやこれやと説明があり、いろいろと 話が盛り上がり納得したところで、「やぁっぱ、最後に大どんでん返しがないとねぇ!」という Cさんの絶妙なタイミングのお言葉により、「シン・レッド・ライン」は締めくくられたのでありました。

ワン・ナイト・スタンド

監督:マイク・フィギス
出演:ウェズリー・スナイプス ナスターシャ・キンスキー ロバート・ダウニー・Jr

H ロバート・ダウニー・Jrを見に行ったんですが、彼は良かったんですけど・・・。最初の方が映像がしゃれててとても期待したんですが、だんだん話が昼メロみたいになってきて、もちょっと、私はいまいちでした。

D ナスターシャ・キンスキーがとても懐かしく、良かったです。この監督は「リービング・ラスベガス」とか「背徳の囁き」とか、好きで、良かったですよ。

B ナスターシャ・キンスキーが久しぶりで、きれいでした。映画の中でロバートが幻で出てきて「行動せよ!」とか言ったでしょ、あれが僕はとっても嫌でした。おおきなお世話やわと思った。映画は見ながら(見る人それぞれの中で)盛り上がっていくものなのに、あんなふうにいわれると冷めてしまう。あんなのは良くない。

G 良かった派、だめだった派で戦ってくださいヨ。

D なぁ〜ん、よかった・だめだった、それだけよ。

H そうそう、それだけです。

その後、「8o」は、あんまり・・とか、「39」は是非観た方がよい、観たいとか・・・ あと、映画祭へと話は流れていきました。

今月のお薦め

A 『馬場本』ベースボールマガジン社
  『映画は語る』中央公論新社

D 『エネミー・オブ・アメリカ』人に薦められる、楽しもうと思ったら楽しめる映画でした。最後はなかなか、タランティーノふうで面白かったです。

E アンチ・ノイズ』『五女夏音』 辻 仁成 著

G 『鳩の翼』私はああゆうのが好きです。パンフまで買ってしまいました。

C 『おじゃる丸』NHK.TV番組 面白いですヨ。設定とか登場人物とか会話とか、すごく大人が見ても面白いですヨ。まったりとした味が出ていて・・・(笑)。

B 『ラブ&デス』 イイですよ。感想は次に話しますね。

H 『中国の鳥人』  本木雅弘と石橋蓮司ときたら、もう見なけりゃなりません。こんなにおいしいコンビはない!! なんか、努力すれば、わたしも飛べそうな気がしてきました。
  愛が微笑む時』ロバート・ダウニーjrは、こうでなくちゃ。単純ですが、この単純なラブコメディに弱いのです。私の回りにもゴーストが居たりして・・・。

[BACK]

99年5月号(145号)

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
(金子修介監督)

A 予告編がすごく良かったので、楽しみにしていた映画だったんですけども、イリスが ね僕はダメでした。何かね足元が見えない。全身を出してほしいというのがあって、それは1作目のギャオスは完壁に出してくれて良かったんですけども、イリスの場合は全身が出たっていうところは、フワッて飛んでるようなところになったら、コンピュータグラフィックスそのものやなって感じできれいはきれいやけど、そういうのが分かってというか思ってしまって、それでダメなところがありました。あと「わたしはガメラを許さない」というコビーはすごく良かったけど、もうストーリ ーをそのまま語ってしまってたんですよね。MANAとか出てきてそのへんは少し面白 かったけど、メインのストーリーが分かっちゃってるんで、あのコピーは果たして出す べきだったのかというのをちょっと考えました。

C ガメラ・レギオンに比べると凝ってたんですけど、好きになれなかったですね。イリスを復活させる女の子があまり好きになれずに。なんでガメラが日本に来るのかといった疑間を具体的に説明してるのが、よくできてたんじやないかなと思いました。ラストの京都駅かどこかでたたかうシーンも良かったんですけど、中でたたかうとどうしても怪獣が小さく見えて、できたら外で広いところでたたかってほしかったなと思いました。話は込み入ってて、昔の伝説とかが出てくるところとか好きでした。

A ひとつ思い出したので。最後のやっつけるところが分からないんですよ。どうやってやっつけたのか。もっとじっくりというか、はっきり見せてほしかった。あら?と思ったらいつのまにかいなくなってたて感じやったんで。

C イリスのデザインはですね、善し悪しは別として、翔ぶところは鳳凰に見えるんですよね。

H 何かあんまり、いまいちかな。前田愛ばっかり出てて、他の人が薄れてたという感じしますし。先が分かってしまって、たたかう場面があまりにも少な遇ぎた。もうちょっとイリスとガメラのたたかうところがあってほしかった。最後も、何か中途半端な終わり方で、また次ができるようなつながりがあるような作りであったし。SFX‐CGの使い方は今までと比べるとだいぶ良くなってきていると思いました。何か手がスクリューになって差し込んだところでやられたような気がするんですけどね。

D 私は大好きで、最初から最後まで好きで、2回見たんですよ。ここ数年、2回見た映画は本当に久しぶりでした。いまHさんが言ったのと逆で、たたかいのシーンが少なかったのが良かった。怪獣映画はいままでそこで退届してしまうというのがあったんだけど、それはなくて、最後もやっつけるとこも、『椿三十郎』といっしょで、スパッと終わって。あと京都駅のシーンが特に好きなんですよ。よくあんな特撮が撮れたなというくらいすごかったです。前田愛には感情移人はできないんですけどもね。それはどうでもよかったんですけども。何かこう描き方がうまいなあと思って、感心しながら見てました。

A 山咲千里はがっくりきたがあ、山咲干里かあって。

D 男のほうはキャラクターもあってたよね。

B 僕は傑作やったと思てるんで、それでいいんじやないですか。

E 今日映画の日で見てきました。怪獣映画は全然興味がなくって、だけど皆さんが一見に値するということだったので行ったんですけど、別にそんなに印象には残らなかったです。ただ、いろんな人が出てて、この人も出てるあの人も出てるってとこがすごく面白かったです。最初の方の潜水艦で潜っているところて、映画の解説をする人がいるじゃないあの人とか、『Shall weダンス?』の徳井優さんとかしかもほんのちょっと。ワンシーンだけという人がたくさん出てて、そのへんがぴっくりしました。あと、前からみんなが言ってたカメラが人間の目線から撮ってたり、画期的なんだよっていうのを聞いてたから、なるほどそうだなって感心しました。すごいまじめにやってるなと思って、怪獣なのにって逆に思ってしまった。前田愛ちやんがイリスの中に入っていくところは、『エイリアン』みたいな、繭みたいに入るとこ周じような感じだなと思って。村が消滅しちゃうとことか、省略してあるんですよね。ああいうのわざとしてあるのかね。どういうふうに大きくなって、どういうふうに襲ってとか。作りと言ったらおこがましいのですが、組み立て方は怪獣映画っていうのは抜きにして良かったと思います。なんで目本に来るのかっていうのは、どうやって説明してあったんですかね、私いまだによく分からない。

G かいじゅう映画をこえた作品だと思います。(紙に書いてもらいました)

A 1作目、2作目と違うというのはどのへんが違うの?

C 3作目は特に人間が中心に描かれている。

B 人間の魂が入ったのがガメラになって、人間とかかわっているというのがガメラの最大の弱点でもあり、最大の強みでもあるという映画でしょ。今回は前田愛を救うためにガメラはたたかった。渋谷を壊滅させるけど、自分の目に人る予供は助けるんですよ。ギャオスが来たら喫茶店の人間ふっとばしてしまうんですよ。人間と同じやないですか。目の前に傷ついてる女の子とかいたら、助けてあげたいと思うけど、全然目の届かないカンボジアの子供には手も何も差しのべないわけでしょ。

A それは話が別じゃないかあ。

C 戦争ではよくある。

B 結局そういう映画だと思うんです。着ぐるみに感情を持たして、いかに着ぐるみを主人公にさせるかって映画なんですよ。

A そういう映画じゃないと思う。つまんない、そういう映画ってしたら。

B 俺はそう思うだけ。あの映画がみんなに愛されるとは思わないんですよ。ガメラ1のようにみんなが納得するような映画じゃ絶対ないんで。あえてそこに踏み込んだ作り手っていうのはすごいなと思う。

A ヒューマニズムとかは今までの映画でもやって来たやん、ゴジラでも。

B 何、ゴジラが何やってきたん。あれね、最後が分からんという人はね、画面を正しく見れないっていうか。

A そういう言い方すると、失礼だぞ。

B 失礼でもあえて言うわ。イリスが吐いた火球をガメラが手で止めて、その手で止めた火球がそのままガメラの手になって相手のはらの中に入るじゃないですか。見たら分かる。画面をきっちりと見とけば。確かにカッティングが速いから分かりにくいってのはある。

E でも、今回話を間いていて、怪獣映画に思い入れのある人はすごいなと思った、怪獣映画に全然輿味を持たなかった立場として。

D 全然思い入れはないけどね。今まで『モスラ』とか見てきたけど、しっくりくるのがなかった。

B 垂直に落ちていくときに降っている雨をシャーっと飛ばしていくから、雨の落下速度より速いという細かい作り。怪獣映画なんてほんまもんやないんやから、どんなにすごい特撮かって思わせるように作ったって言うたらしいですよ。雲の上のシーンなんかCGって分かってもいいって。あれがCGって丸分かりやわっていうのは作者の掌の上に乗せられてるだけ。作者が、すごいCGやと思てくれたらいいと言うてるから。

A 僕はCGとか分からんようにするのがすごいCGやと思う。

C 同じCGでもさ、『タイタニック』とガメラじや違うじゃない。

B 実際にあった話とね、ない話。

D 怪獣映画ていうのは暗黙の決まりごとがあるのを、今回は少し答を出したりしてるのがすごいと思う。

B 今回のは高倉健の任侠映画だったと思う。

D じゃあ一応恒例のガメラ1、2、3の好きな順に。

A 1、3、2。

C 2が一番で1と3がいっしょですね。

H 1、3、2。

D 私は3、2、1です。

B 好きな友達に順番つけたりしません。(笑)


スネーク・アイズ
(ブライアン・デ・パルマ監督)

C ほめたいんですけど、もうひとつでしたね。デ・パルマ監督の映画は好きで、胃頭のシーンのカメラワークというか撮影というか。ブロンドの女性とかもうちょっと生かし方があったんじゃないかと思いました。最初は良かったけど、途中腰くだけになって、ラストがいまひとつ。ビデオを見てから手がかりをつかむシーンとかですね、さすがデ・パルマだなという感じしますけど。火事の中の女性を追いかけるシーンとかハラハラドキドキさせるし、女性が追手を逃れるためにおじさんをつかまえて、部屋の中に入っていって、逆にそのおじさんから逃れるのに苦労するというようなシーンとか。面白いんだけどちょっと惜しいなという感じですね。

D 前回の『ミッション・インポッシブル』が全然だめだったんで、久々にデ・パルマ節が見れたなという。冒頭の評判の長回しはどうでもいいんだけども、それよりもさっきCさんが言った女性を追っかけていくところ。それから、最後はもう見え見えやね。これがやりたいんだなと思ったら、それにちやんと時間を合わせて持っていくというね。大した映画じしゃないんですけど、私はものすごく好きな映画やね。

A 主人公のニコラス・ケイジがちょっと悪で、もっと大きい悪に出会ってどっちにころぶかというところの描き方がうまくてね。女性と階段で話をするところが、私はすごく好きなんですけども、普通ならそこで正義感が出て、あなたの言うとおりだとひっくり返るんだけども、そうじゃなくて「何で余計なことするんだ」ってその女性を説得するところがすごいなと思って。最終的には、正義感に目覚めるんだけども、罰を受けるというね。

A Dさんが言われたのと重なってるかもしれないけど、N・ケイジが善人ゃないわけですよね。自分にも弱みはあるというところで、そこをお前こういう悪いことしてるじゃないかて突かれるけど、何か正しい方にいくっていうのがいいなあって思いました。まあまあだったのて、もう1回見たけど、台詞がいいのがないなあって思いました。最後のキスシーンがきれいだったので、それで救われたなあと思いました。

C 最初の女性アナウンサーのシーンとか面白かったもん。ラストは安直過ぎると思ったけど。

おすすめの1本

A 『イン&アウト』踊るシーンがとても楽しそうで良かった。

E 貴志祐介の『黒い家』夜中にあのラストのところを読んだけど、ドキドキドキドキして、面白かったあ。中年のおぱさんが包了を持って迫いかけてくるだけで恐怖感があって。

F やっぱり内示ですね。研究職になりました。お金と施設あげるから何か研究しろと。

D 『パーフェクト・カップル』キャシー・ベイツが何でアカデミー賞ノミネートされたのかなと思って見たらね、意味が分かったなて。予告編だけ見たらつまらん映画やわと思ってたら最後盛り上がってね。マイク・ニコルズうまいなと思って。K‐ベイツも『ミザリー』以来の。なかなか最後まで見せる映画でした。

H 『パッチ・アグムス』医療関係に勤める人は見てもらいたいなという。手術によって病気を治すんじやなくて精神的な面で治すという話で、割と面白かったです。

C 『パーフェクト・カップル』

[BACK]