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2001年5月号

出席者:酒井、笹原、杉尾   書記:鬼束
 今回も4人の少数精鋭?となりましたが、内容的にはそれなりに十分語り尽くせたんじゃないかな?という合評会になりました。

キャスト・アウェイ

出演:トム・ハンクス、ヘレン・ハント 監督:ロバート・ゼメキス 脚本:ウィリアム・ブロイルス・Jr 撮影:ドン・バージェス 音楽:アラン・シルヴェストリ

笹 原 こういう無人島に行く映画というのは昔からあるんですけども、今回は無人島から帰ってからの部分が私はものすごく気に入っていて、あまり予測しなかったというのがあって、ああいう描き方もできるんだなあというので感動しました。で、実はこのあいだ家族全員連れてもう1回見てきました、映画の日に。T・ハンクスが結構やせたりして、演技も良かったと思うんですけど、3回目だったからオスカーはさすがに取れなかったけども。もう2回取ってるからね。H・ハントも最近あの人どれを見てもいいんだけども、非常にいい味出してましたね。

酒 井 ちょっと長かったんですかね、2時間半くらいだったんですよね。この映画のポイントは無人島に流されて助かって終わるんじゃなくて、そのあとが本当の主題だったと思うんですよね。ですから逆に僕はですね、無人島のシーンが長すぎてそのあとの部分がぼやけてしまって退屈しちゃったんですよね、中だるみしちゃったんですよ。無人島の映画はいっぱいあって、この映画は違うんだよというには、無人島のところをババババっと切っても良かったのではないかと思います。無人島の一人の孤独とかいうのは非常によく出てましたけども、全体的なバランスとして、そのあとの浦島太郎になった、みんな変わってた、さてどうしようというのが主題だったと思うんですね。バランスがちょっと問題だったんじゃないかと思うんですね。助かったあとの後日談を、30分か40分かなり長く描いてましたが、あれは非常に新しい展開というか、でも実際の話としてはそうだよなと非常に納得しましたよね。自分のガールフレンドが結婚してて、まわりが今さら出てこられてもって雰囲気ですよね。最後はアメリカ映画で、相手の愛を確かめ合って。一番印象に残ったのは、一つだけ開けなかった荷物を届けると受取人が留守だったというのも大きな意味があると思うんですよね。わざわざ届けてくれたのって顔が出てくると、何かシラけちゃうような気がするんですよ。届けて、そのあとだだっ広い荒野の中で一人道に立って、どこへ行くかとあたりを見回すところのT・ハンクスの表情なんともいえませんね。この映画は、このシーンだけというか、このシーンがものすごく印象に残って。このシーンで救われてるというか、ボーンと点数上がったというふうな僕はそんな感じがします。

杉 尾 私は面白かったです。長いとは別に感じなくって。雑誌なんか見ると、無人島に行ってからのT・ハンクスの孤独がテーマって書いてあったけど、孤独はあんまり出てないような気がしたんですよね。バレーボールと話すとか、そういうところはあったんだけれども。どっちかって言うとそういうのよりも、現代の時間に追われて生活しているとか、便利すぎる世の中になっているっていうのの警告みたいなところのほうが表に出てたような気がするんです。もちろん、孤独と闘うっていうのもあったんだけど。火がなかなかつかなくて苦労して、食べ物もあんまりなくて苦労して、帰ってきたらすごく飽食の時代で食べ残したりとか、火がパチッと点くところを呆然と見たりするところとか。結局、あの仕事はやめちゃったんですかね?

笹 原 そのへんは、あんまりはっきりしない。

杉 尾 自分を取り戻したというか、そこらへんがよく表われていたなあと思いました。4年いないと待ってくれないんだなと。(笑)クリストファー・ウォーケンの『デッド・ゾーン』というのがあったんですけど、あれも交通事故に遭って意識不明で5年だったかな、二度ともとに戻らない植物人間状態だよというのを聞いて、愛してた女の人が結婚して子供までできて、そのあとに蘇るんですねウォーケンが。やっぱり5年は待たんといかんちゃなってその時思いましたね。(笑)子供に見せたいですよね、良かった。H・ハントが切ないだろうけれども、T・ハンクスが自分の我を押さずに返すというところが良かったですね。

鬼 束 予告編でだいたい半分は分かっていたので、見た直後はいい映画だなあというのは思ったんですけど、まあまあかなという感じで。全体はちょっと長いかなと思ったけど、前半はそんなに退屈というのはなかったんですよね。ラスト、一人になってまた新たな人生が始まるというのが一番良かったんだろうなと思うのですが。最後のほうの雨の中で、車の中にT・ハンクスが乗って別れていくというのは、『マディソン郡の橋』の逆バージョンみたいな感じで思い出したんですけど。(これは、あまり冷めてるかなと思って、合評会ではちょっと言えなかったのですが、T・ハンクスの無人島で4年経ったときの姿が、髪の毛はまだよかったけど、ひげがどうしても付け髭に見えてしまいました。)島から出る時の波を越えるシーンが、結構良く撮れてたなあと思った。

酒 井 あれは、迫力ありましたね。

杉 尾 カメラ目線が、波がこう来て。

鬼 束 音楽が出すぎず静かで良かった。まあまあいい映画でした。H・ハントはこの映画で思ってた以上に可愛かったので、このあとに『ペイフォワード 可能の王国』と『ハート・オブ・ウーマン』を見てみたのですが、それぞれその役柄に合わせて汚しの化粧をしたり、すっぴんに近かったりで、この映画が一番可愛かったのだなと思いました。

杉 尾 H・ハント、割と肉感的じゃないですか。

笹 原 ああいう女優がいいんでしょうね。

杉 尾 細いところが(笑)、くびれてるところがくびれてっていうのじゃなくて、割とどっしりした

感じですよね。あの面立ちからするとスマートな感じを浮かべるけど。

笹 原 『恋愛小説家』も彼女のそういうところが良かったよね。出演作を4本見たけど、4本ともいいですよね。『ツイスター』もあるんだけど全然覚えてないっていう。私、あの映画その年のベスト1にしてるんですけど。(笑)

杉 尾 宅配の仕事じゃないですか、で、一番最初のシーンで車が来て止まって後ろがガーと開いてね人が中から出てきた時、あれずっと中にいたんでしょうか。

笹 原 あれね、私も2回目見た時そう思ったんだけど、多分運転席と荷台の部分がつながってるんじゃないかと思ったんだけど。宅配便はいちいち開けなくて出せるようにそうなっている。

杉 尾 なるほどね、(笑)分かったわ。どうして出てきたんだろうと思って。

笹 原 最初のシーンから、カメラが宅配の物になってというところがものすごく上手いなと思った。あんな描き方はなかったと思うし、最初何かなと思ったら結局宅配便の話でしょ。これはどうやっていくんだろうというような話の持っていき方ですよね。

酒 井 演出は上手いですよ。よく考えてますね。やっぱり映画はね、ファーストシーンで決まるというのもあって、そのシーンでパーと入っていけたら楽なんだけど、入っていけなくて感情移入もなくてあれ?とか、おや?と思わなければもうそんなにないんですよ。その点、イントロダクションというか最初の導入部分が非常に上手いと思いますね。

笹 原 ラストも、あの彼女といっしょになるのかもということも観客の判断にゆだねてますよね。T・ハンクスはちゃんと自分の名前も書いたから、名前はもうあの人有名ですよね。あの人だって分かるから、例えば彼女が連絡取ってということもあるだろうし。それか、全然自分の道を行くか。

杉 尾 最後、ニィって笑ったのは彼女が去っていったほうの…。

笹 原 彼女のほうを向くかなあと思って…うん。ま、そのへんは、あの十字路がすごい。あの終わり方が。

酒 井 こう引いて、最後顔のアップがね。T・ハンクスの映画ですね。彼でなければあそこまでもたない。魅力というか演技力というか。

杉 尾 無人島のシーンは本当にそうでしたよね。

笹 原 無人島のシーンはね、うちのが見た時にちょっと描き方が足りなかったんじゃないと言うんですよ、もっといろいろあったはずだっていうわけですよ。ま、確かにそれ描いてたら長くなるんだけど。

酒 井 それを描き過ぎたら今度は無人島映画になっちゃうんですよ。この映画の主題は4年間の空白の後、いかに自分の体を合わせるかということだと思うんですよ。

笹 原 だから私はちょうどよかったかなという感じはしたんですけどね。

杉 尾 孤独を描くんだったらもっと精神的に苦しんだ部分も必要だったのでは。

笹 原 そこは敢えて描かなくて、あとで話の中で自殺しかけたということが描いてある。あの辺も上手いと。

杉 尾 鯨はずっとついてきたんですかね。(笑)姿は1回しか見えなかったけど。あと、波がやっぱり怖かったですよ。小さい時青島で泳いでいて、形がこわれてないやつがせり上がってくる時ものすごく怖いですもんね。

笹 原 あれも最初伏線がありましたよね、波でだめだったという。だからこそ今度は乗り越えるという。

杉 尾 ウィルソンが流れていくとこはちょっと…。来たでしょ。

笹 原 2回目も私涙してしまったんだけれども、たかがバレーボールで何で涙が出るんだろうっていう。(笑)

杉 尾 感情があるように見えてくるから不思議じゃないですか。

笹 原 誰かやっぱり話し相手がいないとね。

酒 井 すごいのは、見てる人間が、T・ハンクスが「ウィルソン、ウィルソン」と語りかけることによって、あのバレーボールの顔がだんだんだんだんね人の顔に似てくることね。見てるほうがあのバレーボールに親近感を持って、感情移入できるような描き方をずっとうまーくしてるんですよね。

杉 尾 だからするとあの長さは必要ですよね。ウィルソンに感情移入するまでの…。

酒 井 映画の全体のバランスとしてそれが必要かというと、話をいろいろするとだんだん何の映画だったのかなあということで焦点がなくなる。

笹 原 ちょっとごった煮的なとこもあった。欲張ってるとこもね。

杉 尾 どんなだろうね、前半をバサッと切ったところを見てみるとまた違うんだろうけど。

酒 井 より現実味の話になって、無人島の部分はただのお話になっちゃいますよね。

笹 原 食べるシーンもあまりなかったしね。

酒 井 無人島で生活する匂いがあまり伝わってこなかったんですよね。前に<無人島に持っていく映画>(2001年ベストテン号アンケート)で『漂流』って映画を書いたんだけど、あれはもっと切実感というのが出てた。

笹 原 本当に出てたね。

酒 井 本当に無人島ってすごいなっていうそういうのがないんですよね。そこにアメリカ映画的な楽天的なものを見ちゃうんですよね、どうしても。

笹 原 無人島のところも、今までにない形ない形で描いてるんですよ。ヤシの実の中の液を飲んだら下剤になって、冒険物とは現実は違うんだよっていう。そこは非常に評価するんですけどね。

杉 尾 あの墜落するところも凄かった。

笹 原 あれ凄いよ。あのシーンはやっぱりね驚く。

杉 尾 緊迫した感じじゃなくて突然パーって来た時にやっぱりこんなもんなんだろうなあって思う。

酒 井 リアリティありましたね。

笹 原 2回見て分からないというか描き足らないと思ったのはプレゼントね。あそこまで描いたら何かなって思うじゃない。


サトラレ

出演:安藤政信、鈴木京香、八千草薫、内山理名、小野武彦、寺尾聰、松重豊
監督:本広克行 脚本:戸田山雅司 撮影:藤石修  音楽:渡辺俊幸 原作:佐藤マコト

酒 井 こういう発想っていうのはコロンブスの卵みたいで。人の心が分かるという映画とかSFとかよくあるんですけども、その逆っていうのは今まで聞いたことがないんですよね。まず、そこの発想の奇抜さに新鮮な感じを持ちました。主演の安藤政信は非常に上手いんですけども、非常に素朴というか純真というかそれでずっと育ってきたという、そのところがこの映画を若々しくしてるというかフレッシュにしてるというかそういう点だと思います。この安藤政信のキャスティングが、演技というか地かどうか分からないんですけども、非常に成功したんじゃないかなと思います。まわりも芸達者で固めてますけども、僕が唯一気に入らなかったのが相手役の鈴木京香。彼女の演技がいつもテレビで見てるのと同じような感じだったので、もうちょっと何とかならないのかなって気はしました。内容ですけども、最近の邦画この手のものにしては非常によく出来てると思います。天才サトラレの純真さを守っていこうとする人と、国が彼の能力を利用するという構図ですよね。その描き方も割とうまく描いてあったと思います。でも、この映画のもうひとつの軸は主人公とおばあさんとの関わりあいですね。最後、手術して泣かせるシーンがありますけれども、そこまでの持っていきかたは上手いと思いますね。良かったとまではいきませんけど、好きな映画ですね。

笹 原 私も好きな映画です。全体的に良かったんだけども、最後が長いかなというのが、この監督、前の『踊る大捜査線 THE MOVIE』とかそうだったけど、ちょっと最後長いのが切りきれないなというのがありました。でも、今回の八千草薫と安藤政信との絡みが感動的でしたね。まわりの役者も揃っていたし描き方も上手くて、寺尾聰なんかもどんな上司かなと思ったら結局ねいい人なんだけどもうまく描いてましたね。現実にないような話なんだけどもなんとなく納得させられるという…。

酒 井 違和感がないんですよね。

笹 原 そのへんが不思議な映画でしたね。やっぱり本広監督は上手いなと思いましたよ。エンターテインメントは得意ですね。

杉 尾 何の前知識もなく行ったんですけども、感動的でした。まず、びっくりしたのはさっき酒井さんも言われたけど、人の考えてることが分かる能力っていうのは普通考えつくけど、考えてることが悟られるという発想はすごいびっくりしました。それを国全体で認めるという形で作り上げてるというのが面白い発想でびっくりしました。はじめのほうがコメディっぽい感じでできていて、これが恋愛映画になっちゃうとあんまりかなと思ったんだけど、おばあちゃんと孫の話で盛り上がっていたから感動しましたね。八千草薫がすごく上品で、抑えてて、あの子のこともちょっと声が大きいだけだよって感じでするりとこう流しているところがねえ、その優しさがものすごくにじみ出てて、癌だったというのがこの子の考えてることから分かる時の表情とかもすっごい良かったですね。気持ちのいい映画でした。安藤君が『バトル・ロワイアル』に出てるというのを全然知らなくって(笑)、あの激しい殺戮の、目のつり上がった怖い役をした人とはとても思えなかったです。同一人物だとは思わなかったし、言われて初めて気がついた。鈴木京香は別に違和感はなかったけど、すごく若いピチピチした人がするよりは良かったかなっていう。(笑)あと、寺尾聰の深みのある演技が良かったかなあ。島かどこかに行くときが、ちょっと違和感がありましたね。

酒 井 島のシーンは本当に必要なのかという。

杉 尾 第1号のサトラレで鈴木京香が何かに気づくというのも、どうもはっきり伝わらないというかそういうのがありましたかね。考えてることがみんなに分かるっていうので不安になるっていうのは、いろいろ考えるじゃないですか男性でも(笑)、そこらへんが描きたかったんだろうかと逆に思ったりしました。面白かったです。桜もきれいだったし。

〔書記の一言:これは、合評会では考えがまとまらずに言えなかったのですが、この島の第1号サトラレの登場理由は、それまで仕事として安藤に接していた鈴木が、サトラレの孤独、置かれた状況の残酷さに改めて気づいて安藤を一人の人間として見るようになるきっかけですよね。ただ、その描き方がいまいちというのはあると思います。〕

鬼 束 最後のほうで「ばあちゃん」って言って、何回も呼びかける−心の中で呼びかけるんですけど−あそこで涙が出ました。祖母と孫の関係ということで、このあいだ『キクとイサム』という映画を見て、あれはおばあちゃんが孫の女の子にすごい愛情を注ぐ映画なんですけど、逆の立場で同じような愛情を描いていて同じような感動を覚えました。無人島のサトラレのところは、生活とかどういう状況になってるのかなあというのがよく分からなかったんですけど。少し描いてほしかった。鈴木京香は良かったと思うんですけど。最初は年上のちょっとおばちゃんて位に考えてたのが、ふと気がつくとかわいいって思えるのは鈴木京香ならではという気がするんですけど。

杉 尾 あの気づくところがユーモラスだね。

鬼 束 本当笑えるシーンがあって、「私も浴衣着てるんだけど」っていう台詞は好きだったんですけど。(笑)警戒態勢をとるところが最初は祭りのところでとるんですけど、あれが『踊る大捜査線…』と同じような音楽がかかってまあしょうがないかなと思ったんですけど、クライマックスの手術前にも同じような感じで警戒態勢に入るんですよね。またかって感じでちょっとワンパターンかなて感じはしました。無人島で二人で海で遊ぶシーンはあんまり良くなかったような気がします。いらなかったような気もするし。祭りの前のところは、電車のショットとか重ねて引っ張りすぎのような気もしたんですが、まあ細かいとこですけど。まあまあ好きな映画で、「ひょっとしたらあなたもサトラレかもしれない」っていうのは、ああいう体制も考えれば考えられるわけだなと思いました。あと、「サトラレ」というタイトルが予告編を見るまでは何だろうって思ったから、このアイデアはすごい新鮮で良かったと思います。

酒 井 この映画を作る時に監督が思い浮かべたのは一番最後の桜のシーンに持っていくことで、この映画のスタートはこのシーンから始まってるんじゃないかという気がするんですよ。だから、このシーンをまず頭の中に描いて、そこに持っていくためにストーリーとかどういうふうにやるかということを逆にそういうふうに組み立てたような気がするんですよね。この映画を見てると非常にやわらかくてほんわかして親しみ・親近感ってのを覚えるんだけども、別の側面から見ると非常に『バトル・ロワイアル』に似てるんですよね。サトラレっていうのを全部国が管理しちゃうという。根っこは同じなんだけれども描き方が全然違うんですよね。

杉 尾 自由がありそうでない。

酒 井 うん、自由がありそうでない。これをソフトにいくかハードにいくかというだけの違いなんですよ。そうやって突き詰めていくと、そういう国家主義的なことに対する反体制的な要素も含んでいるんじゃないかなと思います。それをダイレクトに『バトル・ロワイアル』みたいな形でもってくるか、それとも要するにそういうことをやっても、結局は人間ってのはそういうもので束縛されるんじゃなしに、愛情とか人間愛とかそういうもののほうが重要なんだよというところの部分も含んでると思うんですよね。

笹 原 ある意味では『踊る大捜査線…』もそうだね。警察という中で人間的なものをどう描くかという感じでしたね。これも導入部が飛行機が落ちるところだね。あの辺の編集とか洋画に負けてないと思ったね。安藤政信は、私は見てないんだけども『キッズ・リターン』で新人賞取っていて、TVドラマ『聖者の行進』で浜崎あゆみと共演したですよね、浜崎あゆみもあの頃は女優だった。

杉 尾 『バトル・ロワイアル』でも『キッズ・リターン』の子とは気づかずに、インパクトのない顔だなと思って見てたんですよ。(笑)

酒 井 やっぱり上手いですよ。『バトル・ロワイアル』とこれが全然違って同じだったという気がしないでしょ。

杉 尾 自然にやってる感じ、これなんかも。

笹 原 脚本の戸田山さんは『メッセンジャー』も書いていて、あれも良かった。


今月の一本

  ストーリーは敢えて伏せて紹介します。

酒 井 『リトル・ダンサー』 イギリス映画です。『ブラス!』と『遠い空の向こうに』を足して2を掛けたような映画。(笑)非常におすすめで、大いに涙しました。私が今回東京で見た4本の映画(ウディ・アレンの『ギター弾きの恋』、熊井啓の『日本の黒い夏・冤罪』他)の中では一番良かったです。

笹 原 『ザ・セル』 誉めてる人が多かったからちょっと期待が大きかったんで、まあまあでした。

鬼 束 <演劇>「空き室あり!」−サツキ荘'95・秋− 杉尾さんも絶賛!の男5、6人だけのハートフル・コメディ。なにげない会話と歌で笑いを誘う。 <映画>『ホテル・ニューハンプシャー』 『萌の朱雀』…一見地味―だけど、面白い。 <本>『蒲生邸事件』…2回目。1回目見えてなかったテーマが見えた。 <タレント>こずえ鈴(こずえ・りん)

★ 5月の合評会は、5月10日(木)になります。皆さん間違えないように注意して下さいネ!(『B・R』宮村優子ふう)

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