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2003年6月号

出席者:♂ 臼井 小野 加賀 笹原 酒井 志賀 ♀ 野口 林田 矢野 杉尾(書記)

連休の中日、メーデーとはいえ、この不況の時代ストライキなんかやっていたら、はい、サヨウナラだわね。仕事があるだけてもありがたいと思わなければいけない・・みたいな。今回の合評会には、鹿児島の小野さん、都城の志賀さんが久しぶりの参加で盛り上げてくださいました。では、始めはこちらから・・・。

シカゴ

監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー キャサリン・ゼタ=ジョーンズ リチャード・ギア クイーン・ラティファほか

林 田 大好きでした。音楽がダーンとなった瞬間に、ヤッターっという感じでワクワクしました。筋の内容はどうでもいい。とにかく、踊りと歌の迫力と、二人の女性の美しさがいいですよね。リチャード・ギアはすこし重い感じはしたけど、でも、久しぶりの楽しいミュージカルでした。最近あまり良いミュージカルがなかったので。

加 賀 歌と踊りのシーンは、やっぱ良かったですね。映画のミュージカルというより、舞台のミュージカルという感じで、雰囲気が非常にあったと思います。それに対して、ドラマの部分がいまひとつものたりないという気はしましたが、全体的には、ほんと、良かった。ドラマから、歌にはいる入り方が自然だと、前もって聞いていたんですが、あんなふうに描けばいいなぁと思いましたね。主人公の3人は、ミュージカルが今回初めてと聞いたけど(註1)、さすが、あちらの俳優は違うなぁと思いました。特に、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、もう最高ですね。すごくよくって・・。ま、ちょこっと、新春隠し芸大会的な感じもよぎったんですけど(笑)。良かったです。いつもはそんなに思わないのだけど、今回ばかりは、画面が小さいのが気になり残念でした。

野 口 ついさっき観てきたので、まだ、なにもまとまっていなくって・・・、だから、すごく良かったということだけです。(笑)。キャサリン・ゼタ=ジョーンズがすごくきれいで良かったです。あのくらいの肉の付き方をしていた方が彼女はきれいさが際だつと思いました。レニー・ゼルウィガーの方は逆に、体を絞っていてきれい。ギアの頬がつやつやしているのが気になりました。最初の画面の歌って踊るところのロキシーの考える彼の想像と、現実の彼とのギャップがててくるミュージカルの部分は可笑しくて、笑いをこらえました。ここで、誰も笑う人がいなくて寂しかったです。(笑)

酒 井 ミュージカルがオスカーの作品賞を取ったのは35年ぶりだそうですが、はっきり言って、これは映画というか、元の振り付けというか、ブロードウェイのミュージカル的な質が高くて、映画的には、はたして良さが生かされているかと思ったら、そうでもないと思います。意図的に映画的なものをなくして、ブロードウェイのミュージカルの演出を活かして映画化したんじゃないかと思います。それは、それでいいんですが、映画的な視点が少なかったのが、ちょっと残念な気がします。リチャード・ギアは、あれだけ歌えるとは思いませんでした。ただ、踊りは太りすぎていてムリがあるように思うんですが・・・。本当はもうちょっと体を絞っていたら良いんじゃないかと思いました。元となった舞台のミュージカルにいろんなアイデアがちりばめられていて、質が高くてこんなにヒットしたと思います。

笹 原 私は、一番好きな映画はミュージカルなんですよね。で、特に、ボブ・フォッシーが昔から大好きで映画をみていたということと、今回の3人の主役もみんな好きなんですよ。ギアも一番好きだし、最近、レニー・ゼルウィガーはずっと追いかけていたし、キャサリン・ゼタ=ジョーンズもいいなあと思っていたら、それが皆共演するというんで期待して行き、久々にミュージカルを観たなという満足感を得られました。細かいところとか、話の持っていきかたとかは、?のところもあるんですけど、ま、全体的にこういうミュージカルが観られたという事だけでも良かったかなという気がしています。それから、助演でジョン・C・ライリーというのも雰囲気があり、個性的な顔をしていて良かったです。

小 野 最近は、ミュージカルというのは、あんまり作られていないですけど、ま、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』とか、ちょっとああいうのをミュージカルにするのはどうかなと、題材自体に疑問があったり、日本で『恋に歌えば』とか、本当に困るなぁというものが多かったけど、今度の『シカゴ』は楽しめました。悪徳の世界シカゴのムードが出ていて良かったです。やはり、元のボブ・フォッシーのミュージカルが素晴らしいんだろうなと思います。リチャード・ギアとレニー・ゼルウィガーとが操り人形みたいに踊るシーンとかはすごかったですね。早速、サントラも買いましたよ。本当は、ブライアン・アダムスの新譜を買うために、競馬も最近まけていたけど資金をよけて用意していたけど、その新譜を後回しにして、このシカゴのサントラを買いました。(笑)

矢 野 ミュージカルは、何本もは見ていないので、数少ない内の一本です。でも、とっても楽しくて、あぁ、ミュージカルって底抜けに明るいもんなんだなというのを感じました。あの、操り人形のところと、ご主人のミスター・セロファンのあの悲しくて、切なさが印象に残りました。本当に全体的に明るくて、華やかで、楽しい映画でした。

志 賀 封切り日の時に都城で観ました(笑)。で、宮崎市より画面がデッカイです (笑)。ストーリー自体は、ちんぶんかんぶんだったけど、ミュージカルシーンは、ま、良かったなと思いました。また、もう一度観て、また、整理したいなぁと思います。で、リチャード・ギアのタップダンスが良かったかな(笑)。ラストのキャサリン・ゼタ=ジョーンズのクライマックスが良かったと思いました。

野 口 あの時、キャサリンは妊娠していたんですよね?

林 田 うん、そうよ。すごいね。本当に、良い女優なんですよね。

酒 井 歌と踊りばっかりで、ストーリーはなんだったかなぁていうのはありますよね。

志 賀 だから、アカデミー賞も衣装賞、デザイン賞とか、見せる部分でのとか聞かせる部分でのしか取っていないし。

加 賀 一つ、疑問に思ったのはですね、キャサリンが殺人で逮捕されるけど、あの人の逮捕されるところとか裁判のシーンがなかったよね。

林 田 舞台ではあるんですよね。二人、結局逮捕されるけど、映画にするとややこしくなるので、ロキシーに絞って描いてあると、何かで読みましたよ。

加 賀 でも、刑務所の中でも普通のドレスを着ていたから、本当に逮捕されているのか途中わかんなくなったね(笑)。

林 田 ロキシーがあの田舎くさい女から、だんだん素敵になっていく過程がホント素晴らしかったね。やっぱり、なんといっても女優が皆良かったですよね。

小 野 レニー・ゼルウィガーって、ただおでこの広いだけの女優かと思って、(笑)僕ぁ、ちょっと反発してたんだけど。でも、なんか、浪花のど根性みたいな感じで、シカゴってそんな感じがして、その時分の悪いところを冷静になってみてきて、あのクウィーン・ラティファが良かったですよね。映画として、いろいろさっきから出ていたけど、3人のバックダンサーの事情をそれぞれダンスで説明して、編集もかなり複雑なカットバックで編集者が根を上げそうなところでも、そのわざと感じさせずにストーリーを進めているから、ま、がんばっているなぁと思います。

加 賀 ブロードウェイのミュージカルを、映画で観たというふうに考えればいいよね。

酒 井 これを観て、僕は本物のミュージカルが観たいなと思いました。

加 賀 そのうち、劇団「四季」あたりがやるんじゃない。

野 口 イヤですよっ!!

林 田 やっぱり日本人では、あの美しさはかなわない。足長いもんね。

野 口 大阪風にアレンジしてやったらどう?

酒 井 それじゃ、演歌じゃないですか。ははは。

註1:ゼタ=ジョーンズは舞台でミュージカルの経験があります。


キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:レオナルド・ディカプリオ トム・ハンクス クリストファ・ウォーケン ほか

志 賀 確か、封切り日に都城で観ました(笑)。ま、追いかけっこがよかったかなぁ。あと、デカプリオのパイロットの制服姿が某アイドルグループのあれ(キムタク)より良かったです。ラストのレクター博士のようなシーンは良かった。

(臼井:えっ、肉食うの?)

いやいや、あの偽造とかを伝授するというのが、逮捕のためのヒントを与えたりするということですよ(笑)。

(臼井:なんだぁ、ディカプリオが人肉食うのかと思った、(笑))。

 最初、スピルバーグ監督の作品とは、思っていなかったので、びっくりしました。あと、最初のクレジットのところが良かったです。

小 野 久しぶりにスピルバーグを楽しめたという感じです。彼のそれまでの作品が本当、「シンドラーのリスト」とか「プライベート・ライアン」とか・・みょーになんか、背伸びをしたというか、内容的にも映画以前のしろものが続いていましたから、本当。「A・I」あたりから、立ち直ってきたなぁと思います。今度のは、久しぶりに楽しめた作品です。でも、「キャッチ・ミー・・・・」なんてタイトルなんで「つかまえられるもんなら、つかまえてみろ!」ではいけないんでしょうかね。こんなタイトルでは、お年寄りでもだれでも見に行かないでしょう。ディカプリオも良いし、追いかけるトム・ハンクスもいいし、やっぱりみょうに背伸びしないのが、スピルバーグはいいんじゃないでしょうかね。スピルバーグの映画というのは、巨大なタンクローリーとか、警察の取り締まりの連中とか、インディジョーンズ、ナチ、鮫とか追いかけられる映画であるとオール読物で書いてあったんですけど。ここのところ、全く本領を発揮という感じゃなかったじゃないですか。これから、もっと楽しめる作品をたくさん作って欲しいと思います。

笹 原 最近「A.I.」とか「マイノリティ・リポート」とかずっとなにか暗い映画ばかりで、だめだなと思っていたら、こんな明るい映画を撮ってくれて何かホッとしました。何か軽く肩の力を抜いて、撮ってくれるといいなと思いましたが・・・・。映画の出来は、意外と良くないですね。あの予告編が、久々にテンポが良いなと思っていたけど、本編は意外とそうでもなくて、ちょっと残念でした。ただ、出てきたナタリー・バイとか、懐かしいなと・・。それと、クリストファー・ウォーケンとかね。あの辺は相変わらず楽しませてもらいました。

酒 井 やっぱり最初のクレジットのところが非常に粋でしたよね。感覚が合ってフランス映画じゃないかという感じで、期待したんですよね。ずっと観てて、わりかし楽しめたんですけど、やっぱり、ちょっと長いので、あの最後の捕まったところで、終わっちゃえば良かったですよ。あれをね、永遠とズルズルとやりましたよね。あれで、映画の雰囲気がだんだん説教臭くなっていくんですよね。だから、ズバッと2時間で切っていてくれた方が非常に後味が良い映画になったんじゃないかという気がしました。ちょっと、あのスピルバーグって何もないんじゃ満足出来ないんですよね、だから、お父さんとのファザーコンプレックスなところを描いているんだけど、僕は、そこを徹底的に抜いちゃって、もうひたすら捕まえると逃げるということに徹した方が映画としては、よりスピーディーでスマートになったんじゃないかと思います。で、スピルバーグなのにCGを使ってないのかなぁと思っていたら最後にやっぱりCGを作ったひとの名前が出てきたから、どっか使っていたんでしょうね。あと、やっぱりこのタイトルでは困りますよね。もうちょっと、日本人向けになるようなタイトルを考えて欲しいと思いました。

林 田 ものすごく期待して、デカプリオがどのくらい美しさを取り戻してくれたかと思っていましたが、期待には応えてくれたんですけど、なんか、やっとの思いであれだけの演技が出来てもゆとりはないなぁと、ちょっと気を許したら最後だなぁと思いました。青年の美しさの最後のシーンのそんな感じでした。私も、お父さんが出てきてごちゃごちゃするところと、お母さんの離婚がどうのこうのという部分は観ていて面倒臭かったです。私はあまり映画としてのめり込めなかったような気がします。あんまり、大した映画じゃなかった。どうでもいい!デカプリオはもうおわりっ!!杉尾さんには悪いけど(笑)。

杉 尾 えぇ〜、良かったじゃないですかぁ!ディカプリオ〜。ちゃんと持ち直していたしぃ。でも、「ギャング・オブ・ニューヨーク」観ていないからなぁ。

(笹原:そりゃ、あれよりは良かったわ、ありゃもう最低やったもん。)

え〜と、もう、最初のクレジットのところがとても素敵で、一枚一枚絵はがきで取っておきたいなと思いました。さっきから話に出ているウォーケンお父さんとの絡みが家庭の崩壊というかそういう部分は、私の興味のあるところだから、映画としては私はそこら辺が逆に面白かったです。ただ笑うだけでなく、あのウォーケンの涙がじーんとして、一緒に泣けました。で、デカプリオが本当に好きになった結婚相手の女の子との別れの部分も、非常に切なく、タイタニックを思い出しました。全然飽きずに最後まで面白くみることが出来ました。

小 野 タイトルバックがいいですよね。ちょっと長いというかスピルバーグは映画を短く撮ることが出来ないのかな(笑)。2時間切った映画は作っていないですよね。今回のもあちこちロケとかいってスピーディに見せるということだったらしいけど、全然でしたね。ぬるま湯につかっている感じというか・・・。でも、楽しめたですよ。さっきから出ているウォーケンの絡みの部分が気になる人もいるようですけど。デカプリオが逃げる事自体が父親探しで自分探しでもある映画だから、筋の中にとけ込んでいる状態だから、僕はあんまり気にならなかったです。ま、あれがほとんど実話というのがすごいなというのはありますよね。

笹 原 あの後半の方で、ディカプリオが飛行機で移送されるとき、父親が亡くなったと聞かされ逃げ出して母親のところにいくシーンがありましたよね、あそこで、窓のところにいた女の子に「お母さんは?」とたずねると母親の方を指さす、あそこで本人がもう捕まってもいいとあきらめる・・・・あそこで私は涙が出まし た。あそこだけは良かった。ホロッときましたね。

杉 尾 ディカプリオは、ああいう役が多いよね。ちょっと影のあり、求め続けているというか・・・「ボーイズライフ」とか。

小 野 トム・ハンクスが真の父親像がイメージされていると思いますよ。


今月の一本

笹 原 「スパイダー」 久々のクローネンバーグの作品でしたが、意外にまともな映画で、母親役の女優が良かったです。

小 野 「酔っぱらった馬の時間」 イラクとイランの国境にすむ貧乏な少年の物語。イランからイラクへ密輸をする話で、その場所は、標高が高くて寒いので 馬の体を暖めるために本当に酒を飲ませるんですけど、少年が飲ませすぎて馬がよっぱらうんです。セミドキュメンタリーぎりぎりに楽しめる作品。ま、そんなにおすすめでもないけど、馬が出てくるし・ははは。(小野さんは大の競馬ファンでありました。)

臼 井 「馬どろぼうのロマンス」 馬の映画ときましたんで、僕も馬にします(笑)。エブラハム・プロンスキーというアメリカを追われた映画監督がチェコスロバキア・・だったと思うんですが、で、撮った映画ですね。ユル・ブリンナー、ジェーン・バーキンなど、なかなか見事な人がそろっております。必見です。

矢 野 「シカゴ」  今月は映画を観ていないのでこの一本です。おすすめです。

志 賀 「ボイス」 韓国映画です。(志賀さんらしいです。)良かったんでけど、なんか「ヨボセヨ」という言葉しか頭に残っていない。

加 賀 「ゴスフォード・パーク」 ビデオでみました。あれはほとんど殺人は関係ないですね。時代考証とか知っていると面白いかも。昔の執事たちの事がいろいろわかり、後世に伝えるにはいいかも。

野 口 「ふたりは今日も」 絵本です。アーノルド・ローベル著。2匹のカエルが織りなす心温まるお話がとっても素敵です。

酒 井 「ボウリング・フォー・コロンバイン」もう、これは、今年一番の作品だと自信をもってお薦めします。

林 田 「冬のソナタ」

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