「潜水服は蝶の夢を見る」

| コメント(0) | トラックバック(0)

「潜水服は蝶の夢を見る」パンフレット 脳出血で脳幹を破壊され、ロックト・イン(閉じ込め)シンドロームにかかったファッション雑誌Elle編集長の実話。動くのが左目だけというのは絶望的で、首から下が麻痺した「海を飛ぶ夢」や「ミリオンダラー・ベイビー」のシチュエーションよりも救いがない。体がまったく動かせないので自殺の自由さえないのだ。

主人公も最初は死を望むが、周囲の援助によってまばたき1回がイエス、2回がノーという決まりで本を書き始める。アルファベットをイエス、ノーで選びながらの気の遠くなるような作業。主人公はその過程で父親(マックス・フォン・シドーが好演)や家族との思い出を回想する。悪くない出来なのだが、「海を…」や「ミリオン…」には及ばない。本を書くことが中心になって生と死の重たい命題を突き詰めていないからか。映画が実話に負けた感じなのだ。

監督のジュリアン・シュナーベルはフランス人かと思ったら、アメリカ生まれ。この映画も言葉はフランス語だが、フランスとアメリカとの合作だった。原題はLe Scaphandre et le Papillon(潜水服と蝶)。

ロックト・インシンドロームは珍しい症状だが、生活習慣病が原因になるとのこと。確かに脳出血は生活習慣病が引き起こす場合が多い。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://cinema1987.org/blog/mt-tb.cgi/23

コメントする

アーカイブ

ウェブページ

2010年4月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

このブログ記事について

このページは、hiroが2008年3月22日 20:21に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「「ライラの冒険 黄金の羅針盤」」です。

次のブログ記事は「「魔法にかけられて」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。