It's Only a Movie, But …

シネマ1987online

おばあちゃんの家

地味でも心に染みる韓国映画

最近公開された韓国映画は私たちにあまりにどん欲に感情を突きつける感じがする。娯楽性としては優れているので異を唱える気はないが、地味でも心に染みるお話もある。それがこの作品。

ソウルで母と暮らす少年が母の実家に預けられる。すごい田舎のあばらやと言ってよい家で口がきけず文字も知らない祖母が1人で住んでいる。今時の子供である彼は家の中でも外でもゲームばかりして祖母を無視する。1人では夜トイレに行けず祖母を起こすのに。

この監督(イ・ジョンヒャン)は女性で、自分の子供時代を基に作ったそうだ。祖父母の家に行って、出されたお菓子や玩具に文句を言った記憶は誰にでもあるだろう。そんな「ごめんなさい」を作品にしたそうだ。物言わぬ祖母の、曲がった背中が温かく感じられる。私たちも見ながら心の中の誰かに手を差し伸べたくなるはずだ。そして今は言えない「ごめんなさい」も。(2005年1月13日・手塚)

TOP