It's Only a Movie, But …

シネマ1987online

皇帝ペンギン

過酷な自然を美しく淡々と

数あるドキュメンタリーの中で、これほどまでに過酷な生き物の姿をごく自然に美しく淡々と描き切った作品が今までにあっただろうか? 命の大切さと大自然の恐ろしさと、かけがえのない地球を知る上で、できれば今の日本中の子どもたちに、見る機会を与えてほしいドキュメンタリードラマである。

皇帝ペンギンは卵を産み育てるために南極の氷の上をヨチヨチと隊列を組んで行進し、自分たちの生まれた故郷「オアモック」を目指す。目的は一つ。種の保存である。卵を温め、生まれたひなを外敵から守るため父親と母親は交代で海に餌を取りに行く。

氷点下40度のブリザードの中で、身を寄せ合う皇帝ペンギンの姿は美しく圧巻である。監督はフランスのリュック・ジャケ。フランスでは180万人を超える観客を動員、ヨーロッパ全土で感動の嵐を巻き起こした。優しく流れるサウンドトラックも素晴らしい。(2005年9月15日・林田)

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