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シネマ1987online

脳男

怪物的な存在 根底に人間性

首藤瓜於の江戸川乱歩賞受賞作の映画化。「はやぶさ 遥かなる帰還」の瀧本智行が監督を務めた。脚本は「八日目の蝉」の監督・成島出と真辺克彦。

都内近郊で無差別連続爆破事件が発生する。刑事の茶屋(江口洋介)は犯人のアジトを突き止めるが、爆発が起き、主犯は逃走。後には共犯者と思われる身元不明の男(生田斗真)が残っていた。残忍な犯行のために男は精神鑑定を受けるが、女医の鷲谷(松雪泰子)は感情を一切表に出さない男に深い関心を寄せる。男は無感情で肉体的苦痛も感じない「脳男」だった。男の周囲に新たな事件が起きる。

生田が主人公を好演。アクションも特筆もの。二階堂ふみの演技もすごい。どんなに怪物的な存在でも人間らしい感情が潜んでいる。残酷シーンは多いが、人間性への信頼が根底にある作品だ。「モナリザの微笑」のような生田の表情がいい。生田主演で続編を見てみたくなった。(2013年2月21日・小野)

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