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シネマ1987online

嘆きのピエタ

母子の愛憎劇 衝撃の結末へ

生まれてすぐに親に捨てられ、天外孤独に生きてきたカンド(イ・ジョンジン)。冷酷な借金の取り立て屋として暴力に明け暮れるカンドの前に、ある日、母と名乗る女ミソン(チョ・ミンス)が現れる。

戸惑い、怒りながらも、次第に母に心を開いていくカンド。孤独と絶望に支配されていた心の闇に、初めてともる安らぎの光。愛されることの幸せとそれを失うことへの恐怖を知り、カンドは次第に人間らしさを取り戻していく。

タイトルの「ピエタ」とは、キリストを胸に抱く聖母マリア像のこと。切なく悲しい物語は、母と息子の愛憎劇という皮を脱ぎ捨て、衝撃の結末へと突き進む。そこに描かれる究極の母の姿、絶対的かつ普遍的な聖母の姿は観客の心をわしづかみにするだろう。

監督は「春夏秋冬そして春」のキム・ギドク。ベネチア国際映画祭で韓国映画としては初めての金獅子賞を受賞した。(2013年9月12日・のだ)

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