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シネマ1987online

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

キッドマンが入魂の名演技

人気絶頂期に26歳の若さで引退し、モナコ公国の公妃となったオスカー女優グレース・ケリーの半生を描いた話題作。

世紀の結婚から6年を経た1962年、グレース(ニコール・キッドマン)はいまだにモナコのしきたりに慣れずにいた。そんな時、モナコに危機が持ち上がる。フランスのド・ゴール政権が、アルジェリア紛争の戦費調達のためモナコに徴税を強要、従わなければ進攻すると迫ったのだ。グレースと夫のレーニエ3世(ティム・ロス)の仲にひびを入れようとする策謀もある中、グレースは国と愛する家族を守るため秘策に打って出る。

ヒロインをキッドマンが入魂の名演。気品と精神まで体現し、まさにグレースが乗り移ったようだ。女優引退後も公妃の「役」を演じ、自分のでき得る範囲で世界をより良くしようとしたグレース。彼女の生きざまに勇気をもらえる映画だ。監督はオリヴィエ・ダアン。(2014年11月6日・小野)

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