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シネマ1987online

ズタボロ

永瀬匡が熱演 熱い青春映画

ゲッツ板谷の自伝的小説「メタボロ」と「ズタボロ」を合わせて映画化した作品。「ワルボロ」の続編である。

不良高校生のコーイチ(永瀬匡)はけんかとナンパの毎日だが、大きな顔がしたくて地元で最凶の暴走族に入る。そこで親友がメンバーにヤキを入れられ半殺しの目に遭う。親友のあだ討ちを誓ったコーイチは、母の良子(南果歩)のいさめも聞かず、やくざの叔父の舎弟になる決意をする。

「好きっていいなよ。」の好助演も記憶に新しい永瀬が、俳優として今持つ引き出しをすべて開陳して熱演。その姿に心を打たれずにはいられない。やくざの本当の恐ろしさを青年に教える平田満と佐藤二朗も強い印象を残す。監督は「探偵はBARにいる」シリーズの橋本一。1970年代ぐらいの設定と思いきや、後半に現代の街並みを見せて分からなくするのもあえての狙いか。作り手の「今」の熱い思いが伝わってくる青春映画である。(2015年6月25日・小野)

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