It's Only a Movie, But …

シネマ1987online

リップヴァンウィンクルの花嫁

展開読めない面白さ

派遣教員の七海(黒木華)はSNSで知り合った男と結婚するが、親族が少ないため挙式の代理出席を「なんでも屋」の安室(綾野剛)に依頼する。新婚の喜びに浸る間もなく、夫の浮気が発覚、義理の母から罪をなすり付けられ、七海は家を追い出される。そんな彼女に安室は結婚式の代理出席のバイトを頼むが、そこで無鉄砲な真白(Cocco)と出会う。次に七海は安室から、月に100万円稼げるという住み込みのメイドの仕事を紹介されるが、その家で先に働いていたのは真白だった。真白との再会で七海の人生はいっそう思いがけない方向に向かい始める。

岩井俊二監督の12年ぶりの実写映画の新作。「リップヴァンウィンクル」とはワシントン・アーヴィングの作品に出てくる民話の主人公のこと。浦島太郎のような出来事に遭遇する人物で、数奇な境遇をたどる七海に重ねているよう。先の展開が全く読めないのが本作の面白さだ。

ただ七海と真白の純白のウエディングドレス姿のイメージが先にあって作られた作品に思える。綾野演じる安室の性格付けがあいまいで、中盤以降破綻している。それでも3時間を見飽きさせない。岩井監督の才腕を感じる意欲作だ。(2016年6月16日・小野)

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