It's Only a Movie, But …

シネマ1987online

ウイスキーと2人の花嫁

大戦中の実話を楽しく

第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの攻撃による戦況の悪化でスコットランドのトディー島では、島民たちが愛するウイスキーの供給が止まり、皆が無気力に陥っていた。郵便局長ジョセフ(グレゴール・フィッシャー)の長女ペギー(ナオミ・バトリック)と次女のカトリーナ(エリー・ケンドリック)はそれぞれの恋人と結婚したがっていたが、周囲からはウイスキーなしでは結婚式は挙げられないと反発される。そんな折、島の近くで貨物船が座礁する。船には大量のウイスキーが積載されていた。島民たちはウイスキーを「救出」しようとする。

大戦中に起きた実話に基づく映画化。最近「ダンケルク」「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」とナチス・ドイツとの闘いを真摯(しんし)に描いた作品が多いが、こちらは極めてユーモラスだ。島民たちが、当局とその協力者を出し抜いてウイスキーを盗み出し、隠そうとするさまに抱腹絶倒する。

情味があり、ジョン・フォードの「静かなる男」「月の出の脱走」などを見た時の楽しさがよみがえった。監督はギリーズ・マッキノン。観客も映画を見たあと一杯飲みたくなること請け合いの作品だ。(2018年07月19日・小野)

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