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シネマ1987online

告白小説、その結末

女性2人の危うい関係

作家のデルフィーヌは精神を病んで自殺した母親を描いた小説を出版し、ベストセラー作家になる。しかし次回作がまったく書けず、スランプに陥っていた。そんな彼女の前に、サイン会で出会った熱狂的ファンで美しい女性エルが現れる。デルフィーヌは献身的に自分を支えてくれる彼女を信頼して一緒に生活するようになる。

エルから想像を絶する人生を歩んできたことを聞かされたデルフィーヌはそれを題材に小説を執筆しようとするが、周りで次々と奇妙なことが起こり、神経をすり減らしていく。

「戦場のピアニスト」や「ゴーストライター」の名匠ロマン・ポランスキー監督が、デルフィーヌ・ド・ヴィガンの「デルフィーヌの友情」を映画化したサスペンス。主演のデルフィーヌには「毛皮のヴィーナス」のエマニュエル・セニエ、エルを「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」のエヴァ・グリーンが演じている。

2人の女性の危ういほどスリリングな関係をポランスキー監督はミステリアスに描き、観客はひとときもスクリーンから目が離せないほどだ。ポランスキーのマジックに、まんまとはまってしまう魅力的な作品である。(2018年08月23日・酒井)

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