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シネマ1987online

映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS

シリーズ屈指の出来

同名の原作人気アニメの映画化第5作。ある都市の橋の上で、老人が過去を回想するシーンから物語は始まる。その老人は1960年代、母親と2人で貧しいが幸せに暮らしていたシン(種﨑敦美)だった。ある日、母親が妖怪に取りつかれ、非業の死を遂げる。どん底に突き落とされたシンを救ったのは少年イツキ(木村良平)だった。シンと、同様に姉を亡くしていたイツキの2人は妖力のある少女タエ(東山奈央)、シンの守護霊スーさん、それに妖怪の猫又(ねこまた)やかっぱたちと一緒に大切な家族の魂を取り戻すために悪い妖怪たちと対決する。

玉藻前(たまものまえ)や、ぬらりひょんなど日本古来の妖怪の登場が楽しい。映画版シリーズは一作ごとにレベルを上げてきたが、今回は屈指の出来栄え。60年代の時代設定を見ても、もはや子供を一番のターゲットに考えていないのではと思えるほどだ。

姉の命を奪った妖怪たちを激しく憎むイツキをいさめ、戦った妖怪たちを仲間にしていくシン。相手を憎まず「善性」に訴え、友情を糧に勇気を持ってあたっていく少年たちの姿が感動を呼ぶ。子供たち以上に一緒に見た親のほうが胸を熱くするに違いない。(2018年12月27日・小野)

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