ライラの冒険 黄金の羅針盤
盛り上がらずに終わった感じ。所々眠かった。子供向けにしては話の基本設定が難しい。この世界とは違う別次元の世界の話で、人はダイモンと呼ばれる魂(動物の姿をしている)を引き連れている。これに意味があるかというと、ほとんど意味がないように思える。演出にもメリハリがない。監督の才気は微塵も感じられず、凡庸の塊だな、これは。良かったのは鎧熊イオレクのCG(と、ニコール・キッドマンとエヴァ・グリーン)ぐらい。
これで250億円の製作費は回収できるのだろうか。1カ月間招待券が使えないのは製作費回収が難しいとの判断からなのだろう。監督は「アバウト・ア・ボーイ」のクリス・ワイツ。こういうファンタジー大作になぜこの監督を選んだのか不思議だ。原作自体、大した作品ではないようで、キネ旬でおかだえみこは「(3部作の)最後はひろげた大風呂敷が収拾できず、ホコロビがあちこちに残る」と書いている。製作費を使いすぎて2作目、3作目は無理との話もあるそうだ。
ちなみにダイモンはDaemonと書く。これ、コンピュータ用語では普通、デーモンと呼ぶ。映画の中ではディーモンと発音していた。
ファンタジーと言えば、「ナルニア国物語」第2部の予告編が流れたが、これも1作目がとほほな出来だっただけにどうなのだろう。盛んに予告編をやっている「ジャンパー」もIMDBの評価は6.1と低い。監督が「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマンなので、まあそうなのだろう。
IMDBで評価が高いのは公開まで内容を一切伏せた「クローバーフィールド HAKAISHA」で8.0。登場人物たちが撮影したカメラ映像でつづるというスタイルは「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を思わせる。予告編には自由の女神の頭が飛んでくる場面があり、これは面白そうだ。日本では4月5日公開。監督は「M:I:III」のJ・J・エイブラムス。