ブレイド2
ウェズリー・スナイプス主演のヴァンパイアハンターもので、4年ぶりの第2作。主人公のブレイドはヴァンパイアと人間の混血で日光に影響を受けないため、デイウォーカーと呼ばれるが、血への渇きは共通しており、血清注射でそれを抑えている。「第1作はワイヤーアクションをはじめとした香港映画の影響ありありの描写に驚いたが、それがなくなると、苦しい。いやアクションは今回も豊富なのだが、もはやアメリカ映画の中にある香港アクションには驚かなくなっている。こういうアクションはアメリカ映画でも普通のことになってしまった。続編としてパワーアップした部分が見当たらないのは残念で、古い吸血鬼と新しい吸血鬼という対立軸も前作とあまり変わらない。個人的には描写のグロさが気になったが、B級アクションファンにはお薦めか。
ブレイドは前作でヴァンパイアにされた“心の父”ウィスラー(クリス・クリストファーソン)の行方を追っていた。ようやくヴァンパイアの隠れ家を見つけ、そこでウィスラーを救い出し、レトロウィルスでDNAを替えて、人間に戻す(こんなに簡単なら、皆そうしてしまえばいいのに)。次の日、ブレイドのアジトを2人のヴァンパイア、ニッサ(レオノア・ヴァレラ)とラインハルト(ロン・パールマン)が訪れる。ヴァンパイアの突然変異リーパーズ(死神族)が現れ、ヴァンパイアたちを餌食にしているというのだ。ヴァンパイアが皆やられたら、次にリーパーズが襲うのは人間。ブレイドはヴァンパイアの首領ダマスキノス(トーマス・クレッチュマン)に頼まれ、リーパーズに立ち向かう。ブレイドに協力するのはブレイドを倒すために作られた軍団ブラッド・パック(!)。ブレイドたちはリーパーズの地下の隠れ家に攻め込み、大量のリーパーズたちと決死の戦いを繰り広げる。
リーパーズの外見はノスフェラトゥのようだが、顔の下半分がパカッと割れて、大きな口を開ける。エイリアンの卵みたいなメイクアップである。心臓は骨に覆われ、普通に杭を刺して殺すことはできない。銀の弾丸も効果がなく、弱点は日光のみ、と従来のヴァンパイアより数段強力。これを倒すためにブレイドは閃光手榴弾を駆使することになる。リーパーズやヴァンパイアが光とともに消滅する効果などあちこちに出てくるSFXはあまり上等ではないが、水準的な仕上がり。監督は前作のスティーブン・ノーリントンから「ミミック」のギレルモ・デル・トロに代わった。「ミミック」ほどの出来にはなっていず、続編の例にも漏れず、前作の8割程度の面白さ。ノーリントンとデル・トロの違いはアクション重視かホラー重視かの違いによるものだろう。「修羅雪姫」のアクションを担当したドニー・イエンもブラッド・パックの一員として出てくるが、あまり活躍の場はない。
【データ】2002年 アメリカ 1時間58分 配給:日本ヘラルド映画
監督:ギレルモ・デル・トロ 脚本・製作総指揮:デヴィッド・S・ゴイヤー 製作:ピーター・フランクフルト ウェズリー・スナイプス パトリック・パルマー 製作総指揮:スタン・リー アヴィ・アラド リン・ハリス マイケル・デ・ルカ トビー・エメリッヒ 撮影:ガブリエル・ベリスタイン プロダクション・デザイン:キャロル・スピアー 追加音楽:ダニー・セイバー 音楽:マルコ・ベルトラミ 衣装デザイン:ウェンディ・パートリッジ
出演:ウェズリー・スナイプス クリス・クリストファーソン ロン・パールマン レオノア・ヴァレラ ノーマン・リーダス トーマス・クレッチュマン ルーク・ゴス マシュウ・シュルツ ダニー・ジョン・ジュールス ドニー・イエン