アバウト・シュミット
定年後の人生こまかに表現
定年後の人生をどのように過ごすか。これはサラリーマンにとって重要な問題である。
この映画の主人公シュミット氏も長年勤めた保険会社を円満退社し、有意義な老後? を過ごす予定だった。
ところが、現実は大違い。愛する妻に先立たれ、会社を訪れても邪魔者扱い。そして愛する一人娘は変な男と婚約してしまう。
シュミット氏は自問する。
「自分の人生とは何だったのか。何か少しでもひとの役に立ったことがあったのか」
何もかも思うようにならなかったシュミット氏であったが、最後に…。
シュミット氏を演じるジャック・ニコルソンの演技は抜群である。シュミット氏のこまやかな感情を全身で表現している。
これから定年を迎える方はもちろん、若い方にも「価値ある人生」を送るために見てほしい作品である。(2003年6月12日・酒井)