チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
アクションとお色気が満載
「映画は女と銃だ」という古い格言がある。これが1970年代に入ると「映画は血とセックスだ」という言葉に変わるが、要はお色気とアクションがある映画は成功するということなのだ。
「安易な」と心ある映画好きは嘆息するだろうが、その両方が満載されたこの映画がヒットしている事実の前には沈黙せざるを得ない。題名から分かるように七〇年代に大ヒットしたテレビの映画版で、現代の米国を代表する女優が楽しげに演じているのがミソである。しかも実にタフ。高さ五百メートルのつり橋から落ちようと、高速で走る車から振り落とされようと、およそ死ぬなんてことはない。
「そんなばかな」。心ある映画好きは再度つぶやくだろう。「死」抜きに、どうやってサスペンスを盛り上げるのだ、と。それを狙った映画じゃないのよ、彼女たちはそう言ってあざ笑う。なんたる自信。その自信は今の日本人には必要なのかもしれない。(2003年7月31日・臼井)