サハラに舞う羽根
理解しにくい主人公の心理
19世紀末の英国。特権階級の若き軍人ハリー(ヒース・レジャー)はスーダンの戦地へ派遣される前日に突然除隊する。仲間からは憶病者の印とされる「白い羽根」が送られ、美しい婚約者エスネも彼を理解できずに悩む。
残念ながら、この後のハリーの心理、本心がまったく観客には伝わって来ない。除隊したのにサハラ砂漠まで出向き、窮地の英国軍を助けようとする真意がよく分からない。ハリーの婚約者を演じるケイト・ハドソンも、世界を制覇していた誇り高き英国の貴婦人にはとうてい見えない。
ただ、スペクタクルな部分の見応えはあり、優雅なロンドンの街並みや、雄大で驚異のサハラ砂漠、そこで繰り広げられる大掛かりな戦闘シーンだけでも見る価値はあるだろう。
監督は「エリザベス」のシェカール・カプール。A・E・W・メイスン原作の七度目の映像化である。(2003年10月9日・林田)