人生は、時々晴れ
普通の人々の家族の絆描く
フィルはタクシーの運転手で4人家族。スーパーで働く妻、老人ホームで清掃員として働く娘、そして仕事もせず、毎日ぶらぶらしている息子と暮らしている。家族の心はばらばらで、顔を合わせれば、けんかばかりしている。
そんなある日、フィルは仕事中に海を見に行こうと思い立つ。だが、そのころ、自宅では息子が心臓発作で倒れ、フィルの行方を捜し求めていた。
傑作「秘密と嘘」(1996年)で有名なマイク・リー監督のこの作品には美男美女は全く登場しない。出てくるのはどこにでもいる普通の人々である。しかし、それによってこの作品の普遍性は高まり、大きな説得力を備えることになった。
「家族の絆(きずな)とは」「私たちにとっての幸せとは」。この映画を見ることで、きっと、家族の見方が変わってくるはずである。そして、他人にも優しくなれるかもしれない。(2003年11月13日・酒井)