キル・ビル vol.1
故深作監督にささげた作品
クエンティン・タランティーノ監督の日本映画(やくざ映画・チャンバラ映画)フリークぶりを思う存分発揮した作品に仕上がった。1月に亡くなった深作欣二監督の影響は特に大きく、冒頭で「巨匠深作監督にささげる」との献辞が出る。
結婚式の最中に家族を皆殺しにされた花嫁(ユマ・サーマン)が暗殺集団の首領ビルとその配下の殺し屋たちを日本刀で血祭りにあげるというお話。
残酷描写も多いためR15指定(15歳未満観賞不可)になったが、マカロニ・ウエスタンやカンフーまで取り入れ、B級映画の面白さを備えているので最後まで飽きさせない。
重要な役に千葉真一、栗山千明を使い、アニメ部分・美術・衣装・音楽の一部は日本のプロにまかせ、なんと、締めには監督ごひいきの梶芽衣子「怨み節」が流れる。ここまで自分の趣味を徹底して押し通した映画も珍しいのではないか。
来年公開の続編が楽しみだ。(2003年11月20日・笹原)