マトリックス レボリューションズ
既視感覚えるドームの戦い
斬新な舞台設定とデジタル技術に香港映画的ワイヤアクションを組み合わせ、熱狂的なファンを生み出した「マトリックス」の完結編。お勧めである。
笑えるのだ、大いに笑える。題名にある“革命"はどこへやら、斬新だった舞台設定は、旧態依然たる対立の物語にすぎないと開き直っているようだし、人類存亡を賭けたドーム内の戦いのシーンは、映画好きなら既視感にとらわれること必至で、「風の谷のナウシカ」や「ガメラ2 レギオン襲来」など、さまざまな映画の題名をつぶやかずにはいられない。
つまりこの映画、監督の映画的想像力の出自をそのまま見せているようなもので、どこか裸踊りに似ている。裸になるのにわざわざ作者が理由を付ける「キル・ビル」とはこの辺が全く違う。大人である。大いに笑って、楽しませてもらえばよろしい。(2003年12月11日・臼井)