ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
前2作上回る最高の完結編
主人公フロドは滅びの山に指輪を捨てることができるのか。それとも世界は冥王サウロンの手に落ちてしまうのか。3年越しのシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング」の完結編で3時間23分の大作。前2作の出来栄えも素晴らしかったが、本作はそれ以上である。
お金を掛けてコンピューターグラフィックスを駆使した作品は、どうしても肝心のドラマ部分が希薄になってしまうが、本作は人物の描き方など細部にまで神経が行きわたっており、すべての面で最高水準にある。さらにハリウッド作品には見られない気品もある。
このような作品に巡り合えるのは幸せだ。大きなスクリーンで見なくてはこの作品の真価は伝わってこない。日ごろ、映画に縁がない人もぜひ劇場に足を運んでもらいたい。映画のだいご味と深い感動が得られるはずだ。ちなみにストーリーは少々複雑なのでビデオで前2作の復習をお忘れなく。(2004年3月11日・酒井)