月曜日に乾杯!
単調な毎日を脱する中年男
単調な毎日に嫌気が差した中年男のささやかな反抗のお話。来る日も来る日も工場に通い、ほこりまみれで帰っても家族はろくに返事もしない。そんな自分の退屈な人生に、ある日ふと気付いたさえない主人公は工場を無断欠勤、家族に何も告げずに旅に出る。
映画は単調な工場の風景を延々と映し、会話も少なく、イライラさせられるが、監督のオタール・イオセリアーニは旅に出る彼の気持ちを十分に分からせようとしたのかもしれない。変化の欲しい観客はやっと動き始めた画面にほっとする。
旅先はベネチア。そこでゴンドラに乗り、自由をおう歌するが、さほどの変化も事件も起きないまま、また画面は淡々と進む。観光客の多いベネチアでも住民はやはり、単調な毎日であることを知り、彼は自分の家へと帰って行くのだが…。
この映画、「絶対お薦め」とは言い難い。退屈する人も多いだろう。しかし、何やら心休まる物語だった。(2004年4月1日・林田)