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シネマ1987online

キル・ビルvol.2 ザ・ラブ・ストーリー

不屈の主人公が母性くすぐる

前作「キル・ビル vol.1」は、そんな快楽を大いに味わわせてくれたが、この続編は、ごく普通の出来の悪い映画になってしまっている。それにもかかわらず、どこか本気で駄目だと言えないのは、観客の母性をくすぐる部分があるからだろう。

終盤、主人公の四歳になる娘が出てきて、復しゅうに燃える彼女をたじろがせるのと同じ構造だ。

恐らく娘は作品自体の、そして主人公は観客のメタファー(例え)だろう。

何回も死にひんし、そのたびに復活する主人公はどこか映画の現況に似ている。映画への情念ゆえに主人公はよみがえる。それが観客の母性をくすぐるのだ。(2004年5月20日・臼井)

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