レディ・キラーズ
間抜けな泥棒と手ごわい夫人
次々に人が死んで行く。怖い怖い金庫破りのお話なのに、クスクス笑わずにはいられない。さすがブラック・ジョーク・コメディーには定評のあるコーエン兄弟監督の作品だ。
舞台はミシシッピ川に面して建つ一人暮らしのマンソン夫人の家。川に浮かぶ豪華客船はカジノである。一見上品そうに見える大学教授と名乗る男が部屋を借りにやってきた。実はカジノを狙った大泥棒の首領である彼は、言葉巧みにマンソン夫人をだまし、四人の仲間と地下室からトンネルを貫通させて、やすやすと大金を手にしてしまう。しかしマンソン夫人に見破られ、五人は彼女を殺そうとあの手この手を使うのだが…。
ここからが断然面白くなってくる。個性豊かな泥棒たちの間抜けぶりが面白い。敬けんなクリスチャンであるレディーはなかなか手ごわい。トム・ハンクスも相変わらずの芸達者で十分満足のいく作品だった。(2004年6月10日・林田)