ラブ・アクチュアリー
おおらかな愛に包まれた映画
冒頭のヒュー・グラントのセリフ「ラブ・アクチュアリー・イズ・オール・アラウンド(愛は実際、周りにあふれている)」が、この映画のすべてを物語っている。
クリスマス直前のロンドンを舞台に何組もの恋人たちが織りなすラブストーリー。すべてがハッピーエンドに向かっていると確信して見ていられる。
もちろん起伏がないわけではない。しかし、そのほとんどは、出会いのときめき、思いを伝えようとする必死さ、伝わったときの喜びであり、いくつかの別離もポジティブな目線で語られている。
とてもありえないような話(例えば、首相と家政婦の少女との恋)も、「まあ良いか」と思える。英国映画らしいユーモアのある会話や描写は時にドキッとするほどみだらだが、それも愛の一部。おおらかでコミカルで、しかもほとんど女性側がリードを取っているという点で好感が持てた。(2004年1月1日・野口)