サンダーバード
有名な人形劇実写で映画化
一九六五年に制作された人形劇があまりにも有名で数年に一度、テレビで再放送されている。従ってほとんどの世代がこのサンダーバードに親近感を持っている。そのイメージを損なうことなく、実写でどう表現されるか不安だったが、少なくとも僕は及第点をつけて良い出来だと思う。
この作品、原作(人形劇)を忠実に再現している。特にサンダーバードのメカや基地(トレーシー・アイランド)は素晴らしい。残念なのはファミリームービーの要素が強すぎて、大人の鑑賞に堪えられる出来ではないこと。俳優では敵役のフッドを演じるベン・キングズレーの存在感が圧倒的でその他は影が薄い。
テレビ版を見た1960年代には「21世紀になるとこのような国際救助隊が組織されて世界中がもっと助け合うようになる」と思っていたが、今もこの世から争いごとは消えず、唯一サンダーバードの実写版が作られるだけとは寂しい気がする。(2004年8月19日・酒井)