ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
メリハリ付けマンネリ回避
おなじみハリー・ポッターシリーズの第3作。今夏公開の映画の中で最も興行収益をあげている。監督がクリス・コロンバスからアルフォンソ・キュアロンに代わったためか、前二作に比べて上映時間が短くなり、スピーディーな出来となった。半面、原作の多くの部分が省略されており、原作を読んで映画を見たファンには少々不評である。
前作は一作目の焼き直し的な部分が多く、早くもマンネリ化が指摘されていたが、製作者はその点を考慮して映画にメリハリを付けるよう心掛けたようだ。それはある程度成功しているように思えるが、このシリーズが長続きするためには幾つかの課題が残る。
まず、主演のダニエル・ラドクリフは大きくなりすぎてポッター役として限界に来ていると思う。また、原作が長すぎて映画には収まりきれない。いっそのことオリジナルなストーリーにした方がファンも喜ぶのではないだろうか。(2004年8月26日・酒井)