It's Only a Movie, But …

シネマ1987online

石井のおとうさんありがとう

感動に乏しい描き方が残念

明治時代に3000人もの孤児や恵まれない子どもたちを引き取って育て上げた石井十次(高鍋町出身)の生涯を松平健主演で描く。100年も前の日本にこのような人物がいたとは驚きである。県民でありながら、つい最近まで彼を知らなかったことを情けなく思う。

そういった観点から見ると、この映画の功績はとても大きいと思う。もっと早くに映画化されて、“孤児の父"といわれた石井十次の驚くべき生涯を日本中に知らしめてほしかった。多くの人々に見てほしい作品ではある。 しかし、映画としての出来はいまひとつ感動に乏しい。十次の業績について淡々とガイドブックを読み聞かされているような作りは残念でならない。実話であり、内容も素晴らしいものでありながら、それはなぜか?

申し訳ないが、やはり監督の力量、脚本、音楽、すべてに何かが不足しているとしか言いようがない。子役の使い方も物足りなかった。(2004年9月2日・林田)

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