モンスター
美しいセロンが連続殺人犯熱演
米国初の女性連続殺人犯アイリーン・ウォーノスをシャーリズ・セロンが演じ、今年のアカデミー主演女優賞を受賞した。
彼女はとても美しい女優だが、体重を13キロ増やし、メークで肌を汚く見せ、荒れた生活をしていたであろう主人公の役作りをした。下着姿の全身を映す場面には正直、驚いた。
虐待され教育も受けず愛される事を知らずに育ち、娼婦になるしかなかったアイリーンが同性愛者セルビーと出会う。「あなたは美しいわ」。誰からも顧みられず生きてきた彼女にとっては無知で世間知らずな女の子のつぶやきが天からの鈴の音に聞こえたのだろう。セルビーとの生活のために職探しをするが、うまくいかず、強盗殺人まで犯すようになる。
良い出会いは良い出来事を生むが、逆もしかり。主人公の不幸はそれにつきる。彼女のような人と友人になれるだろうか?そんな「普通の人々」の思いこそが「モンスター」なのだろうか?(2004年12月9日・手塚)