女はみんな生きている
新しい人生に目覚める主婦
生き生きと希望にあふれ、納得いくストーリーのフランス映画。ほのぼのとした女たちの後ろ姿で終わるラストシーンには深い愛情と共感を持ったが、さて、男たちにはどう映るのだろうか?この映画、男には作れないだろうと思ったら、やはり女性監督のコリーヌ・セローだった。身勝手な夫にこき使われていた普通の主婦が偶然、娼婦を助けたことから、自分本来の生き方を取り戻し、新しい人生を歩んでいく。彼女が素晴らしいのは、自分だけでなく他の不幸な女性をも引き連れて男から去っていくところだ。
妻を家政婦としか見ていなかった夫のぼうぜんぶりが小気味良い。悲劇と喜劇が交ざり、久しぶりにドキドキしたり笑ったりの二時間だった。
主婦役のカトリーヌ・フロが細い体で大活躍。娼婦役の新人ラシダ・ブラクニも画面狭しと走り回り、体当たりの演技で目が離せない。(2004年1月22日・林田)