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アビエイター

「潔癖症と奇行」富豪の半生描く

大富豪で飛行家(アビエイター)、映画監督・製作者としても知られるハワード・ヒューズの半生を描いたマーティン・スコセッシ監督の3時間弱の大作である。

ヒューズを演じるのは「ギャング・オブ・ニューヨーク」でもコンビを組んだレオナルド・ディカプリオ。映画はヒューズが巨費を投じた「地獄の天使」を初監督したり、航空機の製造・就航でライバル会社やその後ろ盾となっている政治家と争ったり、テスト飛行で自ら操縦かんを握って大事故に遭ったりする姿を、キャサリン・ヘップバーンなどスター女優との交際を絡めて描き、長時間を全く飽きさせない。

ただ、ヒューズという人物の内面にどこまで迫り得たかには疑問が残る。彼の潔癖症と奇行を深めていくさまが描かれはするが、鍵となる幼年期の描写が説明不足だし、病状の進行具合を見せていく程度では“内面”を描けたとは言えない。惜しい力作だ。(2005年4月14日・小野)

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