クローサー
4人の男女の出会いと別れ
ロンドンに住む四人の男女、医師・小説家・写真家・若いストリッパー。彼らは出会い、恋に落ち、別れる。彼らの出会い際と別れ際が作品中唐突に現れては現在の彼らと絡み合う。
小説家ジュード・ロウは写真家のジュリア・ロバーツと出会い、恋に落ちるが、彼にはナタリー・ポートマン演じる若い恋人がいた。お互いをあきらめた彼らだが、ロバーツが医師クライヴ・オーウェンと結婚した後、再び出会ってしまう。
月並みな話だが、彼らが交わす会話が面白い。赤裸々すぎて大人ならもう少し隠せばよいのに、と思う程。そんな四人の中で若いポートマンだけが賢く正直だ。ストリッパーの彼女は体を張って生きてきたからこそ、右往左往する大人たちの間で一人、自分にうそをついていない。彼女の潔さと最後に分かる大きなうそがこの物語を救っている。人生とは皮肉だが、別れの時の醜い争いで人と人との間はより近くなるのだろう。(2005年6月2日・手塚)