スター・ウォーズ　エピソード　IIIシスの復讐

スケール大きく期待に応える

アナキンはなぜフォースのダークサイドに落ちてダース・ベイダーとなったのか。銀河共和国の命運は。シスは誰なのか。ジェダイの運命は。どのようにしてルークとレイアは誕生したのか。1997年の第1作から28年、こうしたすべての謎が明らかとなるシリーズ最終作である。

前２作は緊張感を欠いた所もあり、必ずしも成功とは言えなかった。しかし今回は全く違う。緊迫感にあふれ、物語はテンポよく進み、悲劇に向けて話を盛り上げていく。

作品のスケールもこれまでになく大きく、ファンの期待に十分に応えている。すでに観客はこの物語の結末を知っているが、ジョージ・ルーカス監督はストーリーを練り上げてエピソードIVにうまくつないだ。この作品には「民主主義から独裁者が誕生する過程」が描かれている。単なる娯楽作を超えて、「政治の混乱が独裁者を生む」という教訓を私たちに思い出させてくれる側面もある。（2005年7月7日・酒井）