シンデレラマン
正統派のボクシング映画
シンデレラマンと呼ばれた伝説のボクサーが主人公の正統派ボクシング映画。大恐慌時代に貧困と戦いながらチャンピオンに返り咲く夫(ラッセル・クロウ)と、それを見守る妻(レニー・ゼルウィガー)の夫婦愛や家族愛を描く。
典型的なアメリカンドリームのストーリーは、ご都合主義だと思われがちだが、なんとこれが実話なのである。この映画のために減量したクロウの演技も称賛に値するが、セコンド役のポール・ジアマッティが「サイドウェイ」に続き印象的だ。チャンピオンシップを懸けたクライマックスは、まるでドキュメンタリーのようにリアルである。
ただ、ロン・ハワード監督(「ビューティフル・マインド」でアカデミー監督賞受賞)の演出はあまりにもストレートすぎる。最近食傷気味のボクシング映画だけに、もう一工夫欲しかった。監督の次回作「ダヴィンチ・コード」に期待したい。(2005年10月6日・笹原)