テイキング・ライブス

頭脳と勇気で連続殺人追う

プロファイリングを専門とするアンジェリーナ・ジョリーが連続殺人犯を追うサスペンス。彼女の警官物と言えば「ボーン・コレクター」があるが、この作品での雰囲気も地味で何の飾り気もない。ＦＢＩ捜査官の彼女の武器は銃や派手な格闘技ではなく、頭脳とストイックなまでの勇気だ。

アンジェリーナファンの多くは「１７歳のカルテ」の彼女の傷つき悲しむ姿に引かれたはず。誰にも負けないララ・クロフト（「トゥームレイダー」）も良いが、か細く女性らしい声をした彼女には等身大のヒロインも合っている。主人公は非情なまでの自己管理能力を持ち、寂しさも感じている大人の女性。淡々とアンジェリーナが演じる。「トゥームレイダー」以降の演技に感じたどこか「作られた自然さ」が目に付かない。劇場公開時には話題にならなかった作品だが、十分楽しめる。Ｄ・Ｊ・カルーソー監督。（2005年10月13日・手塚）