ALWAYS 三丁目の夕日
小道具やCGで昭和30年代再現
昭和33年、建設途中の東京タワーが見える東京の下町が舞台。中学を卒業したばかりの少女が青森から集団就職で上京する。大工場に就職するつもりだったが、勤め先は小さな修理工場。主人は怒りっぽいがお人よし、奥さんは優しく、一人息子の小学生は生意気だが少女になついてかわいい。家族同様のたった一人の従業員を迎えて物語はスタートする。
原作は西岸良平の人気漫画。話は思った通りの人情物だが、堤真一と薬師丸ひろ子の夫婦、売れない小説家吉岡秀隆、飲み屋のおかみの小雪、あどけない子役たち、みんな熱演で好感が持てる。
家庭に冷蔵庫やテレビが登場するたびに町中で大騒ぎした経済発展途上の日本を描き、思い切り笑い思い切り心地よく泣けてさわやかさが残る珠玉の作品である。懐かしい小道具やCGで当時を見事に再現させた山崎貴監督に拍手を送りたい。(2005年11月24日・林田)