アレキサンダー

歴史上初めて世界を統一したアレキサンダー大王の生涯を製作費200億円かけて壮大なスケールで描いた作品である。監督は「プラトーン」「ＪＦＫ」の名匠オリバー・ストーン。出演はコリン・ファレル、アンジェリーナ・ジョリー、アンソニー・ホプキンスと演技派で固めている。

私は悪い作品でないと思ったが、最低映画に与えられるラジー賞の六部門にノミネートされたほど評判は芳しくない。失敗の原因は映画の焦点が絞られていない上に3時間という上映時間の長さにある。アレキサンダーの生涯をすべて描こうとするのが、無理なのであってもう少し脚本を整理すれば、いい作品になっていたと思う。

アレキサンダーが宿敵ペルシャと戦うシーンで「ギリシャの自由のために」と何度も叫ぶシーンを見て、この作品はあらためてアメリカ映画であることを認識し、今のイラクとの戦争と発想が同じであると感じたのは私だけだろうか。（2005年3月3日・酒井）