ウォーク・ザ・ライン　君に続く道

主演の男女優が見事な演技

プレスリーと同時代、アメリカでバンドを組み成功した実在の歌手ジョニー・キャッシュの生涯を描いた作品である。

ジョニーは貧しい家に育ち、最愛の兄を事故で亡くす。ラジオから流れる音楽だけがつらい現実を忘れさせてくれた。成長したジョニーはお金のために吹き込んだ歌が大ヒットして、一躍成功を収める。後はお定まりの栄光と挫折と愛を描いたストーリーで、話自体にあまり新鮮さはない。

しかし、映画が素晴らしいのはジョニー・キャッシュ役のホアキン・フェニックスと、彼の2度目の妻となる女性歌手ジューン・カーターを演じるリース・ウィザースプーンの見事な演技があるからだ。2人のデュエットの楽しさはライブコンサートに観客を引き込んでしまう。ウィザースプーンは今年のアカデミー賞で主演女優賞を受賞した。監督は「１７歳のカルテ」のジェームズ・マンゴールド。熱く語り掛けてくれる。（2006年3月9日・林田）