灯台守の恋
目と目で語る熱い大人の恋
さすが大人の国フランスの大人の恋の物語である。
1963年、フランスのある小さな島の灯台にアルジェリアの戦いで左手を負傷した若い灯台守アントワーヌが赴任して来る。島の住人たちはよそ者の彼には心を閉ざし何かとつらく当たる。灯台守のリーダー格イヴォンの家に住むことになったアントワーヌはイヴォンの妻マベと道ならぬ恋に落ちてしまう。
誰にも知られてはならない恋。目と目だけで語り合う激しい二人の情熱。息詰まるようなシーンが次々と押し寄せてくる。灯台守の過酷な仕事を通して心が通じ合うイヴォンとアントワーヌだが、男の友情を取るか、それとも恋を取るか、女は果たして?
海の美しさと激しい風雨の恐ろしさも織り交ぜながら、映画はこの恋の行方を描く。1時間44分、一気に物語の中へと引き込まれてしまう。監督は「パリ空港の人々」のフィリップ・リオレ。(2006年3月30日・林田)