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シネマ1987online

デスノート 前編

現実離れした展開に説得力

ミステリーファンをうならせる映画だ。法学部生の主人公ライト(藤原竜也)が名前を書き込むだけで人が殺せる死に神のノートを拾い、正義感から次々と犯罪者を殺していく。警察はライトを連続殺人犯として追い、多くの難事件を解決してきた謎の男L(松山ケンイチ)に捜査を頼む。

平成「ガメラ」三部作の金子修介監督がベストセラー漫画を映画化。ファンタジックな「死に神」が映像化され、ストーリーはやや荒唐無稽だ。しかしノートの使い方など細部にすきがなく、恋人や家族、事件の関係者を巻き込んでいく展開には説得力があり、驚くほどのめり込んだ。加えて頭脳戦を繰り広げるライトとLの個性も際立つ。

まじめな優等生が力を持ち、「陥れられまい」と振り絞るとどうなるか…。現実離れしていて行動の読めないLとの駆け引きでライトがどう変わっていくのかも見どころの一つ。十一月公開の後編が待ち遠しい。(2006年7月27日・加賀正)

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