かもめ食堂
女優3人が個性光る演技
森と湖、そしてムーミンの故郷フィンランドで「かもめ食堂」を経営する日本人女性サチエの物語。きびきびと歯切れの良い日本語とフィンランド語がごく自然に口から出る彼女のさわやかな知性が魅力的である。
ある日、サチエは書店でミドリと出会う。何か訳ありの彼女だが、サチエは何もせんさくしない。ミドリは「かもめ食堂」で働くことになる。それに一人旅のマサコも加わる。日本人女性3人の会話が心地よい。シャケの塩焼き、トンカツにおみそ汁、卵焼き、梅シャケとおかかのおにぎり。果たして和食はフィンランドで受け入れられるのか?
原作は群ようこが映画のために書き下ろし、「バーバー吉野」(2003年)の荻上尚子が脚本・監督を務めた。片桐はいり、もたいまさこの個性が主演の小林聡美とともに光る。フィンランドからは「過去のない男」(02年)のマルック・ペルトラが出演している。(2006年8月31日・林田)